赤嶋情報

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株式投資を行う上で、業界の動向、業界内での企業の位置、企業の戦略などを分析することは重要である。この記事では、分析に用いる手法を簡単に説明する。


戦略と業績の関係
戦略と業績には次のような関係がある。

経営資源、環境 → 戦略 → 行動 → 業績 → 経営資源、環境

以下に簡単な例をあげる。

例:電機
経営資源:事業の多さ、環境:競争の激化
戦略:不採算事業を売却し、優良な事業に特化
行動:デジタル家電を縮小し、強い部門に集中
業績:向上



有名な理論の紹介

産業のライフサイクル
勃興期、成長期、成熟期、衰退期の4つの状態があり、需要の伸びや企業間の競争状態が変化するという理論。


ポーターの5FORCES
業界の構造を、既存企業間の対抗関係、新規参入の脅威、供給業者の交渉力、顧客の交渉力、代替品・サービスの脅威、の5つから分析する手法


ポーターの3つの戦略
コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、ニッチ戦略の3つ


ポートフォリオアプローチ

市場成長率を縦軸、市場シェアを横軸にとって分析する手法。
以下のように分類される。
花形     市場成長率が高い、市場シェアが高い :収益性が高いが、投資が必要
金のなる木 市場成長率が低い、市場シェアが高い :ほっといても資金が大量に入る
問題児    市場成長率が高い、市場シェアが低い :絞り込んで投資をする
負け犬    市場成長率が低い、市場シェアが低い :撤退

ポイント:問題児から有望なプロジェクトを選び花形にすること、花形を金のなる木にすることがポイント

SWOT分析
企業の状況を内部環境(人、物など)と外部環境(法律、経済など)の両面から分析する手法。
内部環境要因を強み(S)、弱み(W)
外部環境要因を機会(O)、脅威(T)に分ける。

強み(S)、弱み(W)と機会(O)、脅威(T)の組み合わせで戦略を策定
SO戦略:強みをいかして機会をとらえる
WO戦略:機会で弱みを克服
ST戦略:強みで脅威を回避
WT戦略:弱みを改善し脅威を回避







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ROEは、非常に重要な指標であるが、以下のような問題がある。
(ROEは当期純利益を株主資本で割ったもの。)

①一時点しか見ていない
②ぶれが大きい
③リスクが考慮されていない
④簿価と比較している


①一時点しか見ていない
ROEは、将来を予想した指標ではなく、あくまで過去の一時点の指標に過ぎないことに注意する必要がある。予想当期純利益を使えば将来の予想の指標となる。しかし、予想当期純利益は東洋経済やアナリストの予想を使うことが一般的であるため、更新頻度が低く、最新の数値とはなりえない。つまり、経済環境が急激に悪化しても、すぐにROEに反映されるわけではない。

②ぶれが大きい
ROEの計算する際、当期純利益を用いる。当期純利益には、特別損益が反映されるため、事業利益を使うROAなどに比べ、年度ごとのぶれが大きい。


③リスクが考慮されていない

ROEとROAには以下の関係がある。
ROE={ROA+(ROA-有利子負債の利率)×負債比率} ×(1-税率)
つまり、有利子負債の利率をROAが上回っているときは、負債比率を高めればROEは大きくなるが、下回っているときは、負債比率を高めるとROEは小さくなる。
ROEが高いとしてもそれは負債比率を過度に高めた結果であるだけかもしれない。負債比率が高いということは、リスクが高いことを意味するので、ROEが高いだけでその企業はいいと判断すべきではない。自己資本比率、インタレスト・カバレッジ・レシオなどとあわせて使うべきである。



④簿価と比較している

ROEの分母は、あくまで株主資本(簿価)であって、時価総額ではない。つまり、株価を何%増やしてくれるかを表す指標ではないことに注意する必要がある。
例えば、ROEが20%だとしても時価総額が株主資本の2倍であるならば、株価ベースでみると10%しか増やしていないことになる。
株価ベースで、当期純利益の増え方を見た指標は益利回り(PERの逆数)である。ただ、益利回りが高いことがいいとは言えない。(PERが低いからいい銘柄と言えないのと同じ。)

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今回は、ROEを3つの要素に分解して分析する方法を説明する。また、実際の例を使って、3分解を行い、分析する。

ROEは株主の立場から、収益性をはかる指標である。この指標は株主に帰属する収益である当期純利益を自己資本で割ったもので、次のように算出される。

ROE = 当期純利益/自己資本

つまり、ROEとは株主の資産を何%増やしたかを表す指標である。(ちなみに、ROAは株主と債権者の立場から、収益性をはかる指標で、事業利益(営業利益+金融利益)を総資産で割って求められる。)ROEは、企業の収益性をはかる指標であるから株価と直結する超重要な指標である。


ROEの3分解
ROEを、次のように売上高利益率、資本回転率、財務レバレッジの3つに分解して、分析を行うことが多い。

ROE = 当期純利益/売上高 × 売上高/総資本 × 総資本/自己資本
= 売上高純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ

売上高純利益率は、売上高に占める利益の割合である。総資本回転率は、総資本を何回転させたかをはかる指標である。スーパーマーケットなどでは、利益率が低い商品を大量に売ることで収益を獲得する薄利多売を行う。これは、売上高純利益率が低いが、総資本回転率が高いことを意味する。
財務レバレッジは、総資産を株主の資産でどの程度まかなえているかを示す指標である。この値が大きいほど、借金の割合が大きいことを意味する。上記の式を見ると、財務レバレッジが大きいほどROEが大きくなるように思われるが、それは間違っている。なぜなら、借金には利息がつくため企業が利息以上に収益を稼げていなければ、ROEは財務レバレッジが大きいほど小さくなるからである。(当期純利益が借金の利息で大きく減少するので売上高純利益率が低下し、財務レバレッジの増加を打ち消し、ROEが低下する。)逆に、借金の利率より企業の収益率が高ければ財務レバレッジはROEを高める。


ROEの3分解の実例
日経平均に採用されている銘柄から26銘柄を選び、2011年3月決算時のROEを3分解した。総資本および自己資本は前期末と今期末の平均を用いている。今回選んだ銘柄の社名は伏せるが、金融、製造業、小売など幅広い企業を選んでいる。ROEを3分解した結果は以下のとおりである。各項目の上位20%は緑、下位20%は赤で表示している。日経企業のPBRは1前後であるので、PBRが1を大きく超えている企業は市場から高く評価されていることを意味する。


ROEの分解


この表から読み取れることを何点か書いておく。
・A社は売上高純利益率は平均より低いが、財務レバレッジによりROEを高めている。
・B社は財務レバレッジは低いが、総資本回転率でROEを高めている。B社は誰もが知っている有名な小売業で、原価が低い商品を大量に売るビジネスモデルによりROEを高めている。また、PBRは3.4と市場に高く評価されている。
・C社は総資本回転率は低いが、財務レバレッジによりROEを高めている。この企業は、情報通信に属する会社で、同業他社に比べ、自己資本が小さい。最近、急成長した企業で、PBRは5.8と市場評価は非常に高い。典型的な、グロース株である。
・E社は、機械の製造メーカーで、総資本回転率、財務レバレッジは低いが、驚異的な売上高純利益率でROEを高めている。この企業で注目したいのは、財務レバレッジの低さで、平成24年12月末の自己資本比率が90%近くある。PBRも2.8と市場評価は高い。
・F社は、大手商社で売上高純利益率は低いが、総資本回転率が高い。一般に、商社はこの傾向がある。F社のPBRを見ると、ROEの割にPBRが小さい。前期のROEが7.3%であるから、市場は今回のROEは一時的なもので、本当のROEはもっと小さいと見ていると考えられる。
・L社は、売上高純利益率と財務レバレッジは高いが、総資本回転率が低いせいでROEはそれほど大きくない。この企業は、大手金融の持ち株会社で、財務レバレッジが高い。大手金融企業のU社、V社も財務レバレッジが高く、総資本回転率が低い。
・M社は、大手医薬品企業で売上高純利益率は高いが総資本回転率が低い。一般に、医薬品企業にはこの傾向にある。
・G社、H社のROEは同じだが、その内訳に大きな違いがある。G社は売上高純利益率は低いが、総資本回転率は高い。一方、H社は売上高純利益率は高いが、総資本回転率は低い。PBR、PERを見ると、G社の方がH社より市場評価が高いことがわかる。(個人的には、何故こんなに違いがあるか不思議に思っている。G社が高く評価されすぎてるように思う。)

このように、ROEを3分解し企業ごとの比較を行うだけでも、ビジネスモデル、財務状況など多くのことが分かる。PBRも加えれば、市場からの評価もはっきり分かるので、割安銘柄の発掘にも使える。さらに、時系列評価も行えばさらに多くのことが分かる。



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今回は、ROEとPBRの関係を理論的に説明し、実例を用いて相関性を分析した。その結果、ROEとPBRにはある程度相関があることが分かった。また、ROE、PBRのグラフを描くことが、割安あるいは割高に評価されている銘柄の発見につながることが分かった。

まず、ROEとPBRの関係について説明する。この関係は理論株価のモデルの一つである残余利益モデルから導出することが可能である。(詳しいことは、参考書などを参照)
残余利益モデルでよく使われる仮定(定率成長など)を用いた時の理論株価は次のようになる。
(ROE=当期純利益/自己資本、要求収益率は株主がリスク性資産に対して要求する収益率、成長率は自己資本の成長率(サステイナブル成長率))

株価= 自己資本 +(ROE-要求収益率)×自己資本/(要求収益率-成長率)

これを株主資本で割ることで、PBRが求まる。
(成長率は、ROE×(1-配当性向))

PBR=1+(ROE-要求収益率)/(要求収益率-ROE×(1-配当性向))  (A)

これを見ると、RBRはROEが大きくなるほど大きくなることが分かる。つまり、理論的にはROEとPBRとの間に、相関があることと言える。


これを実際のデータを使って観察してみよう。日経平均の組み入れ銘柄から26選び、2010年度3月決算時のROEとPBRを求め、グラフにプロットした。横軸がROEで、縦軸がPBRである。

ROEとPBRの関係


これを見ると、ROEが大きいほど、PBRが大きくなる関係が読み取れる。
ただ、よく見ると、ROEが低い銘柄の中にもPBRが高い銘柄が存在する。これを残余利益モデルだけで説明すると、要求収益率が低い、すなわちリスクが小さい銘柄と解釈される。
バリューエーションの観点からこの表を眺めると、18%程度のROEなのにPBRが6程度ある銘柄があり、この銘柄は割高だと判断できる。また、ROEが10%越えているにもかかわらず、PBRが1ちょっとしかない銘柄がある。このような銘柄は割安と考えられる。

気をつけることは、この表で用いたROEは1期間のみであるという点。3期以上、ROEを求め、平均するほうがよいかもしれない。


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今回は、為替先渡レートの決まり方について説明する。為替先渡レートは、将来の為替の期待から決まるものではなく、金利差から決まる(中国、ブラジルなど通貨規制がある国は例外)。


為替先渡取引は、将来のある時点で通貨と通貨を交換する取引のことである。例えば、3カ月先に米ドルを売って円を買うという契約を結ぶ取引のことである。契約を結んだ時点ではキャッシュフローの移動が伴わないことが大きな特徴である。
為替先渡レートは、リスクゼロで利益が得られることがないように決定される(リスクゼロで利益が得られる取引を裁定取引という。)。

例えば、現在の米ドル/円の為替レートが1ドル100円、1年先の為替レートが110円、日本の1年物金利が1%、米国の1年物金利が5%であったとする。このとき、米ドルを売って円を売る契約を結ぶとリスクゼロで利益を得ることができる。例えば、100万円を5%で借りてただちに米ドルと交換し、米ドルで1年運用した後、米ドルを売却し円に戻す取引を行うと、利益を得ることができる。詳しくは以下を参照。

①100万円を現在の為替レートでドルに交換
100万円/100=1万ドル
②1万ドルを1年間運用
1万ドル×1.05 = 1万500ドル
③先渡為替レートで円に戻す
1万500ドル×110円 = 115万5千円
④借りた100万円とその利子を返済
115万5千円 - 100万×1.01 = 14万5千円
⑤手元に14万5千円が残る。


流動性が高い(取引量が大きい)為替市場では、このようにノーリスクで利益が得られるチャンスがあると、みんなその取引を使うのですぐに価格が調整される。そのため、流動性が高い市場ではノーリスクで利益を得らえるチャンスはほとんどないと言われている。したがって、為替先渡レートはノーリスクで利益が得られることがないように決まる。つまり、上記の①~④を行っても、手元に残る金は0でなければならない。①~④を言葉に置き換えると、次のようになる。

①X円を直物為替レートでドルに交換
X円/直物為替レート
②①を1年間米国で運用
X円/直物為替レート×(1+米ドル金利)
③先渡為替レートで円に戻す
X円/直物為替レート×(1+米ドル金利)×先渡為替レート
④借りたX円と利子を返す
X円/直物為替レート×(1+米ドル金利)×先渡為替レート - X円×(1+円金利)
⑤手元に残る金が0
X円/直物為替レート×(1+米ドル金利)×先渡為替レート - X円×(1+円金利)=0

最後に、X円を消去すると先渡為替レートは、

先渡為替レート = 直物為替レート × (1+円金利)/(1+米ドル金利)  (A)

となる。これが先渡為替レートの理論価格である。この式を見ると、米ドル金利が円金利の比べる大きいと先渡為替レートは円高になることが分かる。ただ、実際には取引をする人ごとに調達金利や運用金利が異なる。例えば、100万円を普通の人が借りようとすると、0.1%で借りることは不可能で10%以上とられてしまうだろう。また、1年の金利も金持ちに対する優遇の金利があるように、預けた金額で適用される金利が異なる。それと、円と米ドルを交換する時には手数料が必要になるし、利益の一部は税金としてとられてしまう。つまり、実際の先渡為替レートには税金や手数料、実際に適用されている短期金利が反映され、理論価格と異なる値になる。

ところで、中国、ブラジル、インド、インドネシアのように通貨規制や流通量が少ない通貨では、NDFという取引通貨での決済を行わず、米ドルなどの通貨で差金決済を行う取引のほうが一般的です。このような通貨の場合、①~④を行うことが流動性が低くて困難であったり、取引税を取られコストが大きくなってしまったりするため、理論通りにいかない場合が多々あります(中国は、その典型です)。したがって、NDFが使われている通貨には、取引通貨のやりとりが困難で裁定が働きにくいので、通貨の見通しが反映されることがあります。

最後に、先渡為替レートから金利を逆算する方法を解説する。
①~④とは逆の取引、つまり、ドルを借りて、すぐさまドルを円に交換して運用を行い、米ドルに戻すという取引を考える。米ドル金利、直物為替レート、先渡為替レートがすでに決まっていた時の円金利は、(A)を変形することで次のようになる。

円金利 = 先渡為替レート/直物為替レート × (1+米ドル金利) - 1 (B)

となる。これをインプライドイールド(確か、そう呼ばれていたと思う)といい、これは先渡為替レートが織り込んでいる金利を示している。

 





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今回は、株価をPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)から逆算して求める方法について説明する。PER、PBRは一般に企業の割安度をはかるために用いられる。しかし、PER、PBRから株価を求めることもできるのだ。PER、PBRは株価と何らかの財務指標との比率であるから、もし、PER、PBRおよび用いている財務指標を予測することができれば、株価を逆算することが可能である。以上のことを、PERの例を使って解説する。PERは、

PER=株価/一株当たり当期純利益

である。ここで、PER、一株当たり純利益を何らかの方法で推定し、その結果、PER=15、一株当たり純利益=100であると推定したとする。すると、株価は

株価=PER×一株当たり純利益=15×100=1500

と推定することが可能である。実際の株価が1000円だとすると、株価は割安であると分かる。もし、株価が先ほど推定した株価になるとすると、その収益率は

(1500-1000)/1000 × 100 = 50 %

と求めることができる。この収益率は割安度合いと考えることができ、この値が大きいほど割安であると判断できる。


では、PER、PBRや用いている財務指標をどのように推定するのだろうか?
PER、PBRなどの比率は同業他社から推定することが可能である。例えば、分析対象の企業と同じ業界に属している企業のPER、PBRを求め、その平均を推定値として用いる。また、過去のPER、PBRを求め平均をとるのも一つのやり方であろう。

財務指標を予想するのは難しいが、簡略化することもできる。例えば、PERの計算で用いている一株当たり純利益は決算短信やアナリストの予測値を使う、あるいは直近の数値を用いる。


以上のように、PER、PBRなどを用いることで株価を逆算することができる。通常、PER、PBRから逆算した株価は一致しないが、目安としては使える。しっかりした分析を行う場合には、何通りものやり方で株価を求め、判断する。

この手法は単純なので、よく使われている(らしい)。適当にやると、驚くほど簡単に株価が求まる。(もちろん、妥当性の議論は必要であるが。)株価をとりあえず出さないといけないが時間がないという時に使える手法である。ただ、企業のPER、PBRが何らかの理由(例えば、成長性が低いなど)で低い場合や同業他社のPER、PBRが高い場合、推定株価が実際の株価に比べ高く出てしまうので注意する必要がある。また、同業他社をどう選定するか、財務指標をどう推定するかなど課題も多い。レポートを提出する際は、PER、PBRの推定方法をいかに納得させるかがポイントであろう。


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今回は株価がどう決まるかについて説明する。株式の収益は配当(インカムゲイン)と値上がり益(キャピタルゲイン)の二つである。したがって、株式の収益率は、

株式の期待収益率=(配当+値上がり益)/現在の株価

である。値上がり益は、将来の株価 - 現在の株価とも表現できる。これを数式で表現することにする。(数式を追うのが面倒という方は、結論である(A)から読み進めてもらってかまわない。)
今、現在の株価をP0、1年後の株価をP1とし、配当をD1とし、株主の要求収益率(株式の期待収益率)をr+δ(r:リスクフリーレート、δ:リスクプレミアム)とする。(リスクフリーレートとは、リスク0の資産の利率のことで、一般には国債の利回りが使われる。リスクプレミアムは株主が要求するリスクに対する上乗せ利率である。この考え方になじみがない方には、消費者金融の利率を考えてもらいたい。消費者金融は、貸し出しをする際にリスクが伴うので国債の利回りに金利を上乗せして金利を決定しているのだ。)
すると、先ほどの式は

r+δ=(D1+P1-P0)/P0

となる。これを変形すると、

P0=(D1+P1)/(1+r+δ)
  =D1/(1+r+δ) + P1/(1+r+δ)

となる。この式によると、P0の価格を知るためにはP1を求めなければならないが、同じ考えを使うことでP2を求めることができる。2年目の配当をD2、2年後の株価をP2とすると、P1は

P1=D2/(1+r+δ) + P2/(1+r+δ)

となる。これを先ほどの式に代入すると、

P0=D1/(1+r+δ) + D2/(1+r+δ)^2 + P2/(1+r+δ)^2

となる。以上を繰り返すと、

P0=D1/(1+r+δ) + D2/(1+r+δ)^2 + D3/(1+r+δ)^2 + ・・・

となる。ここで、配当がg%ずつ増加すると考えると、D2=D1(1+g)であるから、P0は

P0=D1/(1+r+δ) + D1×(1+g)/(1+r+δ)^2 + D1×(1+g)^2/(1+r+δ)^2 + ・・・

となる。無限等比級数の公式(高3の数学で使う公式。)を使うと、P0は、

P0 = D1/(1+r+δ-g) ①

となる。以上のように、「将来発生する配当を株主の要求収益率で割り引いた現在の価値の合計が現在の株価に等しい」と考え株価を求めるモデルのことを配当割引モデルという。ところで、①を言葉で表現すると、以下のようになる。

現在の株価 = 配当/(1+リスクフリーレート + リスクプレミアム -配当の成長率)  (A)

リスクフリーレートは安全資産(国債)の利率(名目金利に近い)、リスクプレミアムは株主が要求する株式のリスクに対する金利の上乗せ分のことである。つまり、株価は名目金利、リスクプレミアムが高いと小さくなり、逆に名目金利、リスクプレミアムが低いと大きくなる。これは、金利水準が低下すると株価が上昇することと、リスクが低くなると株価が上昇することを示している。また、配当の成長率が高いと株価は大きくなり、低いと株価は小さくなる。企業の成長性が高い企業の株価が高い理由を、配当の成長率が高いと株価が大きくなるという今の議論で理解できる。



次に、配当割引モデルによる株価とPER(株価収益率)との関係を見てみよう。

PER(株価収益率)との関係
PERは株価の割安度を見る指標の一つで、

PER =株価/一株当たり純利益

とあらわされる。一株当たり純利益をEとし、配当をD、リスクフリーレートをr、リスクプレミアムをδ、配当の成長率をgとすると、株価を配当割引モデルで表現した時のPERは

PER = (D/E)/(1+r+δ-g)

となる。以上の式から、リスクフリーレート、リスクプレミアムが高いとPERは小さくなることが分かる。また、ROE(株主資本に対する当期純利益率)が高いとgが高くなるので、PERが大きくなる。(逆に、ROEが低いとPERが小さくなる。)よく、PERが低い株式は割安であると言われるが、その株式は投資家の期待ROEが小さい、あるいはリスクプレミアムが高い可能性が高い。したがって、PERが低い銘柄に投資を行う場合には、現在のリスクプレミアム、期待ROEが間違いであると言える場合のみ投資すべきである。
実は、PBR(株価純資産倍率)も配当割引モデルの変形である残余利益モデルと結び付けることができる。ここでは詳しく説明しないが、PBRが1を上回る条件は株主の要求収益率をROEが上回っている必要がある。逆にいえば、ROEが株主の要求収益率を下回るとPBRは1を下回ってしまうのだ。
「PER、PBRが低いのは成長性がないから」だと言われることがあるが、それは以上の議論から理解できる。


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今回は、株式について簡単に解説する。

株式とは?
株式とは、企業が資金調達のために発行する証券の一種である。企業が経営を行うためには資金が必要になるのだが、経営者が持つ資金だけでは大規模に事業を行うことができないので、他の人や法人から資金を調達することで経営を行っている。企業の資金調達の手段には、借金(銀行からの融資、社債の発行)と株式の発行の二つがある。借金の場合、契約時点(あるいは購入時点)で何年間で返済するか、いつ利息と元本を支払うかが定められている。(貸し手側からすると、利益がすでにほぼ確定している。)
一方、株式の発行の場合、利息、元本の返済はない。(利息に相当するものは配当であるが、支払いが保証されているものではない。)また、株式の買い手側が資金回収を行う場合は、基本的には他人に譲渡するしかない。これが借金などによる資金調達との大きな違いである。
株式の権利には、配当を受け取る権利、経営に参加する権利、企業の残余財産に対する請求権がある。


まずは、配当を受け取る権利について説明する。
配当は企業が稼いだ利益を株主に払い戻しのことで、株式を保有していることで配当を受け取ることができる。一株当たりの配当を購入時の株価で割った値を配当利回りという。

一株当たりの配当が50円で購入時の株価が1000円だったとすると、配当利回りは5%となる。ただし、株価は変動するので購入時点で利回りは確定しない。(例えば株価が900円になっているとすると、配当をもらっても損失となる。)

日本の企業の場合、配当がもらえるのが確定する日が3月の後半に集中している。この配当を目的に株式を買う人が結構いる。1月あるいは2月中旬あたりから配当狙いの買いが徐々に入るため、2月、3月は株価が上昇しやすいという話もある。ただし、配当をもらえるの確定した後の日には株価が下落することが多いので注意。


次に、経営に参加する権利について説明する。株式には経営に参加する権利が付与されている。もちろん、1株など少ない株数では意味がないのだが企業が発行している株式数の数十%というレベルになると意味がでる。外国企業などが、経営を参加することを目的に大量に株価を集めようとすることがある。その企業は通常、株を現在の株価よりも高く買い取ってくれる。


最後に企業の残余財産に対する請求権について説明する。
企業が解散した場合、まず借金の支払いを行い、残りを株主が受け取ることになっている(これが、企業の残余財産に対する請求権)。つまり、企業の資産から負債を引いたものが株主に帰属する部分といえる。(簿価ではなく時価である。PBR一倍割れは企業を解散すれば儲かると説明する人がいるが正確には誤り。PBRが対象としているのはあくまで簿価。簿価で売却できるわけではないないし、のれんなどは売却不能。)以下の説明では。株主に帰属する資産を株主資本と言うことにする。

投資家は、株主資本の増加に最も注目する。それは、株式投資の目的が自分よりもお金をうまく稼いでくれる人にお金を託すことでその享受を得ることであるからだ。例えば、株主資本を100万円を150万円にしてくれる企業Aと、100万円を200万円にしてくれる企業Bの二つがあったとすると、当然投資家は企業Bに投資をしたいと考える。すると、企業Bの方が投資家にとっての価値が高い、すなわち株式の時価総額が大きくなる。以上のことは、株主資本が全く同じ企業であっても株式の時価総額が異なることを示している。なぜ、違うかというとお金を増やしてくれる力(成長性ということが多い)が異なるからだ。企業Aが50%ずつ増やすのに対し、企業Bは2倍にする。ところで、企業Bの株を一株当たり株主資本の2倍だして買う人はいるのだろうか?そのような人はもちろんいる。なぜなら、企業Bが2倍で増やし続けることが可能ならば最初株主資本が100万円であっても、2年後には400万円(株主資本の4倍)になっているからだ。逆に、株主資本を毎年半分にしてしまう企業Cを考えよう。企業Cの株を一株当たり株主資本と同じ額で買いたい人はいるだろうか?間違いなくいない。なぜなら、そのお金で定期預金をした方が儲かるからだ。となると、企業Cの株が一株当たり株主資本よりも低い額でないと普通買わないだろう。

また、投資家はリスクにも注目する。期待値が同じ商品であってもリスクが異なればリスクの小さい商品の方が価値は高いだろう。ということは、リスクが高い商品はリスクが低い商品に比べ割引されていると考えることができる。国債はリスクが最も小さい商品なので、リターンも小さくなる。株式にも同様のことが言えて、リスクが高い株式と低い株式ではリスクが高い株式の価値の方が小さくなる。(要は経営が危ない企業の株式は安いということ。)
例えば、将来200万もらえる安全資産(収益が確定している商品)と200万もらえるリスク性資産の現在の価格はどうなるのだろうか?安全資産の利率が1%であるとすると、
安全資産:200万円÷1.01=198万円
一方、リスク性資産はリスクがあるから安全資産の現在価格より安くならなければならない。リスクが高いので、投資家は安全資産より高い利子率を要求する。仮に、安全資産の利子率に9%上乗せされたとすると、リスク性資産の利子率は10%となるから現在の価値は
リスク性資産:200万円÷1.1=182万円
となる。

以上をまとめると、株価には①企業の成長性と②企業のリスク、が主に反映されていると言える。余談となるが、ROE(企業の成長性を示す指標の一つ)や株主の要求期待収益率(企業のリスクが反映されている)で理論株価を求められる。

次回は、株価がどう決まるかについて解説する。

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今回から、投資(資産運用)の話について書く。
まずは、投資の概要について簡単に触れておく。投資を行う個人投資家の一番の動機は、お金を増やす、に間違いないだろう。(経済や会社のことを知りたい、勉強、研究、などもあるでしょうが。)長引く不況および超低金利の現代を考えると、お金を自分で増やさなればならない時代が近付いているのを感じる。しかし、お金を増やすという行為には、リスク、すなわち損失が生じる可能性がつきまとう。ローリスクローリターン、ハイリスクハイリターンという言葉が示すようにリターン(投資収益、投資収益率)とリスクにはある程度関係がある。基本的に、高いリターンには高いリスクが付きまとう。(基本的にといったのは、違う場合があるからだ。例えば、30年くらいの日本株式と国内債券の幾何平均リターンとリスク(標準偏差)を比較すると、リスクが小さい国内債券の方がリターンがよいという結果がでる。)今回は、投資対象の資産を紹介するとともに、リターン、リスクの関係を論じる。

投資対象の資産として以下の資産があげられる。
1.国内株式
2.国内債券
3.外国株式
4.外国債券
5.REIT(不動産投資信託)
6.不動産
7.預貯金(定期預金など)
8.保険
9.投資信託
10.外国預金
11.デリバティブ
(他にもあるだろうが、このへんにしておく。今後の記事では、これらの商品の特性や運用手法、管理手法、市場環境などについて触れることにする。)

今回の記事では、1~4の資産概要とその細かい分類およびリターン、リスクについて触れる。
まずは、リターン、リスクについて簡単に解説する。株と債券を比べると、基本的に株の方がリスクが高くリターンが高い商品である。また、国内と外国を比べると外国の方がリスクが高い。
債券は利息と元本をいつの時点で受け取るかの契約なので基本的に受け取るキャッシュが購入時点でほば決定しており、不確実性は小さい。一方、株式の収益は購入時点では確定していない。株式の収益は、配当(インカムゲインという)と値上がり益(キャピタルゲインという)に分けられる。配当は、投資対象の会社の経営者が決めることで減配のリスクが付きまとう。値上がり益は、企業が金を稼ぐ力(いわゆる成長性)に大きく依存している。企業の成長性は経済環境により大きく変化するので不確実性が大きい。まとめると、債券と株では株の方が不確実性、すなわちリスクが高いのだ。不確実性(リスク)が高い資産に対して、投資家は高いリターンを要求する。(いわゆるリスクプレミアム)これは、確実に100万円を受け取れるケースと、100万円が受け取れない場合があるケースのどちらがよいかを考えれば理解できる。通常、確実に100万円を受け取れるケースの方が好まれるだろう。
外国の資産の方がリスクが高いのは、外国の資産には為替変動リスクが加わるからである。(為替ヘッジを行えば、リスクは低下する。)
次に資産の概要について説明する。

1.国内株式
国内株式は、国内に上場されている銘柄群のことである。(単に、国内株式という東証第一部に上場している銘柄全体を指すことが多い。東証第一部全体の時価総額(株価×上場株式数)が基準日(1968年1月4日)の時価総額の何倍かを表した指標がTOPIXで、国内株式の推移を見る際によく使われている。日経平均株価も使われることがある。こちらは東証第一部の中から225銘柄を選択し株価を平均している。ただし、連続性を保つため単なる平均ではなく修正が加えられている。)
国内の株式市場には、東証第一部、第二部のほか、新興企業向けのJASDAQ(ジャスダック)があり、JASDAQで時価総額などが一定水準以上を満たしている銘柄をJ-STOCK銘柄といい、TOPIXと同様に、インデックスが計算されている。
国内株式を分類に、時価総額を用いることがあり、時価総額が大きい銘柄を大型株、小さい銘柄を小型株と呼ぶ。(中間は中型株。)
割安かどうかを基準に株式を分類することもある。割安な銘柄をバリュー銘柄、割高な銘柄(成長銘柄)をグロース銘柄という。割安をはかる指標は、PER、PBR、EV/EBITDAが代表的である。(これらについては、以降の記事で解説することにする。ちなみに、業界によって指標の注目度合いが違う。つまり、有効な指標が異なる。)
なぜ、このように時価総額、割安度で分類されているかというと分類によってリターン、リスクが異なるからである。株式の超過リターン(安全資産に対するリターン)を説明するモデルであるファーマ=フレンチの3ファクター・モデルではマーケット全体、バリュー度、規模(大型、小型)でリターンを説明し、これらのパラメータが有効であったことを示している。要は、局面によって、バリューがいいかグロースがいいかなどが変わるということである。
市場のプレイヤーの構成だが、海外投資家が25%、企業と個人が20%、銀行が10%、国内機関投資家(生保、年金、投信)が20%くらいである。

2.国内債券
国内債券は、基本的にほとんどが国債である。(約1200兆円のうち、700兆円以上)民間が発行している債券は200兆円に満たない。日本の東証第一部の時価総額は280兆円程度だから、民間が少ないというよりも国債が多すぎることを示唆している。
分類は国債、社債で分けることが多い。
市場のプレイヤーの構成だが、株式市場で目立った海外投資家は5%強にすぎない。銀行、保険、年金などの機関投資家が8割程度である。個人投資家は3%程度である。つまり、国内債券市場は国内の機関投資家の市場といえる。

3.外国株式
外国株式は地域別で分類することが多い。すなわち、先進国、エマージング国(新興国)という分類あるいは、米国、欧州、アジアという分類である。外国株の場合、株式の変化に加え為替の変化がのるため、リスクは大きい。しかしながら、異なる国に分散投資することでリスクの変動を抑えることができる。

4.外国債券
外国債券は、地域別、国債か社債かで分けることが多い。外国債券への投資では投資対象国の金利水準と経済の安定性、世界の投資家のリスク許容度が重要になる。例えば、オーストラリアの金利は4.25%なのに対し、アメリカは0.25%でリターンが異なる。経済の安定性は信用の話で、経済が不安定になると信用スプレッドが拡大し債券価格の下落が起きやすい。また、投資対象国に何もない場合でも、世界の投資家の懐事情に変化が生じると(例えば、不景気になって自分の国に金を戻して支払いを行う)、オーストラリア、ブラジルなどの債務国から資金が引きあげられ、債券や為替が急落することがある。(いわゆる、リスク回避)


リターンとリスクについて
最後にリターンとリスクをどうはかるかを解説する。
まずは、リターンについて解説する。リターンには、幾何平均リターン(掛け算の平均)、算術平均リターン(足し算の平均)の二つがある。どちらのリターンがいいかは、使用する目的によって異なる。
このことを理解するために、次の例を考える。最初の時点では、100万円の株式を持っており、1年後に150万円、2年後に100万円になってしまったとする。この場合のリターンは一体どうなるのだろうか?
0年目から1年目のリターンは(150万円÷100万円-1)×100で50%であるのは異論はないだろう。
同様に、1年目から2年目のリターンは、(100万円÷150万円-1)×100で-33%になる。
では、0年目から2年目のリターンは何だろうか?
0年目から2年目の金額を考えると、100万から100万円になったので0%にするのがよいだろう。幾何平均で計算すると、
(150万円÷100万円 × 100万円÷150万円)^(1/2) - 1で0%になる。
一方、算術平均で計算すると、(50%-33%)÷2=8.5%になる。
ということは、過去の推移を振り返る時は、幾何平均でリターンを計算するほうがよい。一方、算術平均を使う場合は将来の収益率を予測する時に用いるのがよい。

次にリスクについて解説する。
リスクは標準偏差ではかるのが一般的である。投資家の効用関数が2次関数、または収益率の分布が正規分布に従う時には問題ない。しかし、一般には成り立たない。実際の収益率の分布ではマイナスを取る確率が正規分布より大きいのだ。そのため、標準偏差をリスクの尺度として使うのはよくないとの指摘もある。90年代?以降、期待以上に収益をあげる場合はリスクじゃないだろ、という指摘もでてきて一定の収益を下回る場合のみをリスクと認識する下方リスクが考えれるようになった。近年では、VAR、CVARなどが実務で使われている。特に、VARは金融機関の安全性をテストする際に利用される。



次回は、株式とは何かを説明する。

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クレジットカードは決済を行う手段としてみると優れている。ちょっと高い買い物やインターネットで買い物を行う時にそのことをよく感じる。店頭で何万もの買い物を行う際、現金で決済を行うと、現金をおろす煩わしさ、現金を店まで運ぶリスクなどがある。インターネットで買い物を行う場合、クレジットだとスムーズに決済ができるのに対し、現金、預金だと振り込みを行う必要があり面倒である。(追加手数料を取られる場合も多々ある。)それに、クレジットカードで決済を行えばポイントもつく。公共料金の支払い等も全てクレジットを使えば、非常に楽なうえに、ポイントがついてお得である。したがって、クレジットカードを決済手段と見れば非常に優れている。

ここで、気になるのがクレジットカード会社はなぜクレジットカードを提供するかという点。(すなわち、どう利益を得ているか。)クレジットカード会社の主な利益は、1.年会費、2.販売店からの手数料、3.分割払い、キャッシングの利息、の3つである。1の年会費は説明不要であろう。2の手数料ついては、少し説明する。クレジットカードを使って買い物をした場合、クレジットカード会社が販売店に対し代金の支払いを行う一方、販売店から手数料を受け取るという仕組みになっている。(後日、クレジットカードを使った人の口座からクレジットカード会社に支払いが行われる。)ここで、1万円の商品の買い物を現金とクレジットカードで決済した場合の販売店の収益について考えてみる。現金で決済が行われた場合、店は1万円を受け取る。一方、クレジットカードの場合、店は1万円から手数料引いた金額しか受け取れない。一見すると、クレジットカードによる決済は販売店にとって、不利なように思える。しかし、現金がないから買えないという客にも売ることができる、現金のみで決済を行う客より顧客単価が高い、ポイント目当てで何度も買いに来る人がいるなどのメリットがあるのだ。(裏を返すと、クレジットカードで買い物を行う場合、買いすぎてしまう傾向があるので消費者サイドからすると注意が必要ということ。
次に、3の分割払い、キャッシングの利息について説明する。クレジットカード会社は、利用者が分割払いやキャッシングを利用してくれると利息で儲けることができる。利率は10%を超えているものが多い。日本の政策金利の0.1%と比べると高いが、デフォルト(消費者が返済不能に陥る)や返済の遅延などが考慮されているのだ。(リスクフリーレートに信用スプレッドがのっているということ。)しかし、10万円の買い物をした場合、金利12%でも1ヶ月で1000円つくことになる。つまり、6回払いを選択すると、結構金利でとられるのだ。クレジットカード会社の一番の収入は、この利息収入なので、分割払い、キャッシングには特に注意が必要なのだ。


まとめると、クレジットカードは決済手段としてみると、利便性、ポイントがつくなどの観点から優れた商品だと言える。一方、クレジットカードで買い物をすると、現金より多く買ってしまいやすいので気をつける必要がある。また、分割払い、キャッシングは利用を控えたほうがよい。

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