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はじめに
最近、日本の景気がさえませんが、世界にはもっとひどい国があります。例えば、スペインでは2012年7月~9月の失業率が25%と最悪の水準です。若者の失業はもっとひどく、約半数が失業しています。ギリシャの失業率もそれに近い水準を記録しています。物価上昇は3%と深刻ではありませんが、失業が深刻化しているのに物価が上がるので状況としては最悪です。例えば、失業率20%で物価上昇率が10%という状況なら、失業者が苦しくなるのはもちろん、失業してなくても給料は下がるのに物価は毎年10%ずつ上昇するので、経済的にかなり悲惨と考えられます。このように、失業率と物価上昇率は経済の悲惨さに大きく関係しています。失業率と物価上昇率を足した指標を「悲惨指数」といいます。1970年代に、アメリカの経済学者がこの指標を考案しました。当時の経済理論ではインフレ率と失業率が同時に上昇することはないと考えられていましたが、当時のアメリカでは失業と高インフレが同時に襲ってきました。
一般に、悲惨指数が上昇すると国民の不満が高まると言われています。悲惨指数が高まると、政権に対する国民の不満が高まり、政権の継続が難しくなります。アメリカの大統領選では悲惨指数や失業率の高さが注目されます。2012年のアメリカの大統領選では、失業率が高いのでオバマ大統領は苦戦するだろうと予想されていました。失業率が低下傾向にあったためか、今回の大統領選でオバマ大統領が再選を果たしましたが、かなりの接戦となりました。


悲惨な国ランキング(2011年 先進国のみ)

「悲惨指数(失業率+物価上昇率)」で順番に並び変えることで、悲惨な国ランキングを作成しました。(失業率は各国によって定義が違うので、単純に比較することはできません。しかし、参考にはなると考えています。)


悲惨な国ランキング(2011年)

ギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドといったPIIGSの顔ぶれが上位に並びます。失業率が本当に高いです。ただ、失業率に比べ物価が低いです。あれだけ財政がボロボロにもかかわらず、物価が低水準なのはユーロに加盟しているためだと思われます。ユーロのおかげで、通貨の暴落による輸入インフレが起こらず、救済もしてもらえたので、ボロボロにはならなかったのでしょう。

先進国上位である、アメリカ、イギリス、フランスがランキングの上位に並んでいます。この3カ国は失業率が結構高いです。一方、日本、ドイツの失業率は低いです。どうして、これだけの差があるのでしょうか?この差は経常収支から説明することが可能です。
以下のグラフは先進国の経常収支の推移です。
先進国の経常収支の推移
アメリカ、イギリス、フランスは経常収支が赤字です。一方、日本、ドイツは経常収支が黒字です。経常収支の赤字は基本的に輸入が輸出を上回っていることを意味します(貿易収支に近いことが多い。)。したがって、アメリカ、イギリス、フランスは他国からの輸入で経済をまかなっている一方、日本、ドイツでは国内で生産した製品の一部を海外に輸出しています。輸出は「失業率の輸出」とも言われます。輸出の場合、国内で雇用が生まれますが、輸入の場合は雇用が生まれないからです。つまり、輸入が多いアメリカ、イギリス、フランスは製品の生産による雇用が生まれないので失業率が高く、日本、ドイツは、製品の輸出で雇用を生んでいるので失業率が低いということです。
近年では、単純な生産など付加価値が低い労働を新興国にやってもらい、会社運営、商品開発など付加価値が高い仕事を本国で行う企業が増えています。当然企業は儲かります(役員など一部の人は高額報酬をもらう)。しかし、付加価値が高い仕事は一部の人しか就けないので、失業率が高くなるもしくは、パート労働にしか就けない、などの問題が先進国で広がっています。アメリカでは弁護士や会計士の資格をとっても、パート労働しか仕事がない人がいる一方で、上位1%の人の収入が増加傾向と経済格差が大きく広がっています。日本は、そこまでひどいことはありませんが、長引く不況で徐々に空洞化が広がり雇用は悪化傾向にあります。短期労働者や若者の失業者が増加しています。輸出が増加すれば、国内で雇用が生まれるので雇用は改善します。ただ、海外生産も増えているので高度成長期のように大量に人を採用しないと考えられます。
オーストラリアは経常赤字ですが、成長しているので雇用はそこまで悪くないのです。

最後に、高福祉で有名な北欧を見てみましょう。ノルウェーの失業率は低いですが、スウェーデン、フィンランドはそこそこ高いです。失業者の支援は充実しているそうです。



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2012年9月、経常収支(季節調整値)が31年半ぶりに赤字に転落しました。年度上期としても1985年以来最小の経常黒字となりました。今回の赤字は石油石炭税実施前の駆け込み需要による要因で貿易赤字が一時的に膨らみ経常赤字になったとの見方が多いです。しかし、早ければ日本は2014年に構造的な赤字になるとの予測もあります。


要点

この記事のまとめです。

・原発停止による燃料の輸入増加および燃料価格の高騰で輸入額が増加
・世界経済の低迷で輸出額は減少
・貿易収支は赤字だが、所得収支で経常収支は何とか黒字
・しかし、原油や天然ガスの価格は再び高値圏
・円高のおかげで輸入額は抑えられている
・円安になると輸出の回復が期待されるが、原油・天然ガスの輸入額が上昇
・円安でも貿易収支の改善が期待できない(筆者予想)
・世界的な金融緩和の副作用でインフレ、コモディティ価格上昇(筆者予想)
・原料高騰による貿易収支の悪化で、経常収支も赤字が定着(筆者予想)



経常赤字で日本に何が起こるか

経常赤字で懸念されるのが、国債利回りの上昇(国債価格の下落)です。経常収支の赤字は海外への債務が増えていることを意味します。債務を支払うと、日本の貯蓄が減少します。日本の国債は銀行などを通じて貯金等で買い支えているので、貯蓄が減少すると国債を買い支えるのが難しくなり国内で国債を消化するのが難しくなります。つまり、供給過剰の状態に陥り国債価格が下落します(利回りは上昇)。国債の利回りが上昇すると、住宅ローンの金利、企業への貸出金利などあらゆる金利が上昇します。金利が上昇すると、経済活動が停滞するので経済がさらに悪くなります。

為替への影響はというと、正直どうなるか分からない。新興国などでは経常収支の悪化は通貨安要因です。例えば、通貨危機が起こったタイは経常収支の赤字で暴落しています。最近では、インドなども経常収支の赤字で通貨安に動いています。しかし、日本は新興国と違い世界有数の金持ちです。対外純資産でいうと日本は253兆円(2011年末)でダントツ1位です。危機が起こると、この資産が日本に流入する可能性があります。東日本大震災で円安になると思った人が多かったのですが、実際には円高になりました。海外の投資家が日本の企業が稼いだ資金を日本に戻すことで資本を増強すると考えたからです。世界的な経済危機が起きると円高になるのは、海外へ投資したマネーが日本に戻ってくるからです。
ただ、貿易赤字は海外への支払いを行うため、円を売って外貨を売る動きが起きるので円安要因です。経常収支の赤字は海外への債務増加を意味するので対外純資産が減少します。つまり、貿易赤字、経常赤字が定着すると円安方向に振れると思われます。しかし、上述の通り日本で危機が起きると日本の資産が逆流する可能性があるので、急激な円高もありえます。



日本の経常収支の状況
・貿易収支は燃料の輸入量が増加したため赤字が定着
・日本は資本の出し手の為、所得収支は黒字
・現在は貿易収支の赤字を所得収支で補うことで、経常収支の黒字が続いている

日本の経常収支の推移

経常収支は貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支の4項目に分かれています。サービス収支は旅行などのサービスの取引が計上されます。所得収支は外国への出稼ぎによる報酬および海外投資による利子・配当金ん収入が計上されます。経常移転収支は政府間の無償資金援助などが計上されます。
サービス収支がマイナスなのは日本人が旅行等で外国に行く一方、外国人があまりこないからです。
経常移転収支は日本が援助金をだすためマイナスになります。
貿易収支は、昔は大きかったのですが近年では空洞化や国際競争力の低下で減少をはじめました。リーマンショック後、回復傾向にあったものの東日本大震災によって原発が停止し、再稼働問題が日本全土に波及したことで火力発電量の燃料輸入が増加し貿易収支の赤字が定着しました。
所得収支は海外からの投資収益が入るためプラスです。日本が経常収支の黒字によって対外純資産を増やした結果、海外からの配当収益がこれだけ得られるようになりました。最近までは、この所得収支の黒字が貿易赤字等を上回り黒字を維持できていました。2012年9月は経常赤字になっていますが、石油石炭税実施前の駆け込みで燃料の輸入が増えたためです。ただ、これだけ長い間貿易赤字が続いているこの状況はかなりやばいです。



日本の貿易収支の状況
・リーマンショック後、輸出額は大きく減ったが持ち直しつつあった
・東日本大震災以降、輸出は低迷。最近はあまりさえない。
・輸入はリーマンショック以降、上昇が続く
・リーマンショック前から輸入額はかなり大きくなっていた

日本の輸出入動向2

リーマンショックの影響で日本の輸出額は大きく落ち込みました。ただ、世界的な金融緩和、財政政策の影響で輸出は回復が続いていました。しかし、東日本大震災でサプライチェーンが寸断され生産困難になり輸出が落ち込みました。
輸入は、リーマンショック以降、右肩上がりに推移しました。原発再稼働問題によって、燃料の輸入額が大きくなった影響もあります。ただ、東日本大震災以前から右肩上がりに推移しているのが気になります。もう少し前から、貿易収支を見てみましょう。



日本の輸出入動向1

1996年からの輸出入価格を見てみましょう。
輸出、輸入価格ともに大きく上昇しています。日本は海外から原料を買いつけ最終製品を海外に売却するという加工貿易を行っているので、輸出額とともに輸入額が増加するのはおかしくありません。しかし、2005年あたりから輸入額が結構な勢いで上昇しています。何が輸出入額を押し上げているかを見るために、もっと細かく見てみましょう。


輸出・輸入の内訳と推移

日本の輸出・輸入の構造
・鉱物性燃料の輸入が非常に大きい。食料、原料は輸入に頼っている。
・輸送用機器、電機機器、一般機械などの付加価値が大きい製品を輸出
・東日本大震災の影響で鉱物性燃料の輸入が大きく増加、輸送用機器等の輸出は減少
・2012年度、鉱物性燃料の輸入額はさらに上昇。輸送用機器の輸出は回復するが、電機機器などは回復せず。


まずは、震災前後で本当に燃料の輸入が増加したか確認してみましょう。

商品別貿易状況2010年度
2010年度の輸出入の内訳です。このときから、鉱物性燃料(原油、天然ガス等)の輸入はかなり大きいです。200年ごろは8兆円程度だったのですが、資源価格の急騰で跳ね上がっています。食料、原料も輸入に頼っています。日本は資源がないので海外から資源を買っていることが読み取れます。輸入した原料品や部品等を使って、自動車などの付加価値が高い製品を作り海外へ輸出します。輸送用機器(自動車など)、電機機器、一般機械を輸出することで貿易収支が黒字になっていたのです。


商品別貿易状況2011年度
鉱物性燃料を見ると、輸入額が3兆円程度増えています。一方で、輸送用機器、一般機械などが減少しています。確かに、マスコミが言うように燃料の輸入が増加したことが読み取れます。サプライチェーンの寸断の影響も確かにあったようです。


商品別貿易状況2012年度(年率換算)
では、今年はどうなるのでしょうか?2012年9月までの状況を見てみましょう。
9月までのデータしかないので、2012年1月から9月までの9月間の合計値を9で割って12をかけることで強引に年率換算しました。
鉱物性燃料の輸入額がさらにあがっています。これだけ大きいと、輸送用機器、電機器などの輸出で補うのは難しいでしょう。輸送用機器に着目すると震災前程度の水準に回復しています。アメリカでの自動車販売が好調なためです。一方で、中国などでは日本製品の不買運動があるので中国の苦戦が予想されます。電機機器は回復していません。家電メーカーは中国・韓国との厳しい競争にさらされているため、あまり期待できません。一般機械も若干減少しています。
この状況では貿易収支が黒字にはまずならないでしょう。鉱物性燃料の輸入額が非常に大きい値となっていますが、過去にもこれに近い水準を記録した年度があります。


商品別貿易状況2008年度
2008年度の鉱物性燃料の輸入額を見ると、24兆円と震災が起きた2011年度を上回っています。この時期は原油価格が高騰したので、輸入額が非常に大きくなってしまったのです。原油化価格が高騰したのは投資マネーが流入したためです。原油市場は市場規模が小さくそれほど多くないマネーの流入でも跳ね上がってしまうのです。


商品別貿易状況2006年度
日本経済が比較的よかったと言われる2006年度を見てみましょう。鉱物性燃料の輸入は非常に大きいですが、輸送用機器、電機機器、一般機械の輸出額がすごくいいですね。海外の需要で経済が持ち直したのでしょう。




鉱物性燃料の内訳

・原油が大半を占める
・震災以降、LNGが急増

鉱物性燃料の内訳
今度は鉱物性燃料の内訳を見てみましょう。原油がほとんどですね。原油価格の高騰により鉱物性燃料の輸入額が増加したようです。
震災前後を比べると、LNGの輸入額が急増しています。原子力発電を火力発電で補うため、LNGの輸入額が急増したのです。輸入量の増加に加え、価格も高騰しています。本当かどうかわかりませんが、アメリカの9倍の値段で買わされているそうです。
原油の輸入額も増加しています。再び、資源の価格が上昇し始めたためです。


原油・天然ガスの価格推移
・リーマンショック後、原油は暴落したがまたリーマンショック前の水準に近付いている
・日本向けの天然ガスの価格はリーマンショック前より高くなっている


コモディティ価格の推移
コモディティ価格の推移を見てみましょう。リーマンショック前、原油は非常に高いと言われていましたが、再びその水準に近づいています。天然ガスは、リーマンショック前の値段より高くなっています。世界的な金融緩和などでインフレ傾向にあるため、コモディティ価格は上昇傾向にあります。天然ガスの需要は、火力発電の燃料ですから上昇するのは当たり前です。中東情勢も価格に影響を与えます。価格はこれからも高止まりすると思われます。


天然ガスの地域別価格
天然ガスの地域別価格です。アメリカが低水準で推移しているのに対し、欧州、日本は上昇しています。アメリカが低水準で推移しているのはシェールガス革命のためです。シェールガス生産量が飛躍的に増加したことで、天然ガスが低水準で推移しているのです。
日本は足元を見られているせいか、すごい勢いで上昇しています。アメリカの9倍で買わされている話も本当かもしれません。

米ドル円の推移
先ほどの、コモディティ価格はドルで表されています。円高なので、原料は安く買えていると思われます。米ドル円の推移を見ると、6年前と比べかなりの円高になっています。この円高が輸入額を抑えていると考えられます。

コモディティ価格の推移(円換算)
原油に関しては、円高に寄りある程度価格が抑えられていそうです。一方で、天然ガスの価格は円高で抑え込めていません。リーマンショック前に近い水準で買わされています。
円高なのに輸入額がこれだけ大きくなっているのです。円安に振れたら、鉱物性燃料の輸入額はさらに膨れ上がるでしょう。円安には輸出改善の効果が期待されますが、家電業界の苦戦(中韓との競争が激しい)、中国の不買運動でちょっと円安になってもそんなに増えないでしょう。また、電力が自由に使えないことで空洞化が進むことが考えられます。以上のことから、円安になってもそんなに改善しないと思われます。むしろ、燃料の輸入額の増加でますます貿易収支が悪化することも考えられます。
世界的な金融緩和でマネーがあふれていますからインフレの進行がますます進むことも考えられます。新興国の需要もあるので、今後もコモディティ価格は上昇基調だと思います。そう考えると、そう遠くない未来に経常収支の赤字が定着すると思われます。原発が再稼働すれば状況は改善するのでしょうが、反対派が多くなかなか難しいようです。今度の選挙に期待しましょう。

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