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Ⅱ ガソリン依存からの脱却

近年、ハイブリッド車や電気自動車などのエコカーが普及し始めています。一般的に、エコカーは環境に優しく低燃費である自動車のことを指します。エコカーに通じる研究は1970年代のオイルショックの時代から始まりました。このころから、石油の可採年数はあと40年しかないと言われているうえ、石油が暴騰したため、省エネルギー化や代替エネルギーの研究を進めざるを得ない状況に追い込まれました。

しかし、エコカーの普及はなかなか進まずガソリン車の時代が続きました。ガソリンは軽いうえに長距離を走ることが可能というメリットに加え、ガソリンスタンドが至る所にあるからです。電気自動車を持っていても、電気を補充するスタンドなどがなければ普及しないのです。電気自動車はインフラ整備(スタンドがない)が進んでいないうえに、価格が高いため現在でもほとんど普及していません。アメリカ、日本、中国などは、電機自動車普及に向けた政策を行っていますが、現状ではハイブリッドカーくらいしか売れていません。原油枯渇という問題のほか、環境の観点からも、早急にガソリンからの脱却が望まれますが、滞っているのが現実です。




なぜ、エコカーが注目されているのか?

エコカーがなぜ必要かを説明する前に、なぜ今エコカーが注目されているのかを簡単に説明します。エコカーが注目されている理由として、次の二つがあげられます。

①原油の埋蔵量には限りがあるから
原油の採掘技術や油田等の発見で採掘可能年数は伸びていますが、資源には限りがあり、いつまでも使えるということはありません。また、近年、原油価格が高騰するなど、価格の面からも燃費が良い車が望まれます。


②環境への配慮が重要になっているから
1997年の京都議定書で、地球温暖化の原因と考えられる二酸化炭素を減少することの合意がなされました。エコカー、なかでも電気自動車は二酸化炭素の排出を削減する手段として期待されています。自動車の排気ガスを削減するという観点からも、環境に優しい車の普及が望まれます。


主なエコカー
エコカーと言う言葉は、かなりあいまいに使われていますが、一般的には、環境に優しく燃費が良い車を指します。代表的なエコカーは以下の5つです。


ハイブリッドカー
ガソリンと電気で動く車です。(ガソリンと電気の混合(hybrid))

プラグインハイブリッドカー
ハイブリッドカーに電気自動車の充電機能をつけた車です。ガソリンを入れなくても、ある程度なら電力だけで走行できます。

電気自動車
電気で走る車です。

燃料電池車
搭載した燃料電池で水素と酸素の化学反応を起こし、反応で発生した電気エネルギーを利用して走る車です。

新燃料自動車
ガソリンの代替となる燃料で走る車です。代替燃料は、天然ガス、バイオエタノール、メタノール、水素などです。


ハイブリッドカーとは

簡単に言うと、ハイブリッドカーはガソリンと電気で動く車です。ガソリンエンジンと電気モーターを搭載した車で、ガソリンエネルギーと電気エネルギーの比率を加速時、定常走行時、減速時などの状況変化に応じて変えることで、エネルギーを効率的に利用します。
ガソリンエンジンは定常走行時には30~38%程度のエネルギー変換効率(ガソリンの持つエネルギーを運動エネルギーに変換する効率)となりますが、加速時などでは変換効率が15~20%に落ちます。都市部におけるガソリン車の最終的なエネルギー変換効率は7%以下と言う人もいます。
一方、電気モーターのエネルギー変換効率は70~97%と、ガソリンエンジンよりずっと効率は高いのです。ただ、供給される電力のもとは、ガソリンです。ガソリンエンジンで発電機を稼働させて蓄電池に電気を蓄えるのです。そのため、燃料の持つ化学エネルギーのうち電気エネルギーに変えられるのは20~30%程度です。
したがって、止まっているときや低速時はモーター、低速から高速への移行の間はエンジン+モーター、高速時はエンジン、減速時はモーターというように、使い分けがされています。
都市部のように、加速、減速、停止を頻繁に繰り返す場合、ガソリン車と比べ燃費がよくなります。


ハイブリッドカーは複雑な仕組みであるため、巨額な投資が必要となり、トヨタやホンダなど自動車大手くらいしか開発ができません。また、トヨタとホンダがハイブリッドカーの生産に必要な技術のほとんどを特許化してしまったので他のメーカーは生産しづらくなっています。


ハイブリッドカーのメリットとして、ガソリンスタンドなどのインフラが整っていることがあげられます。電気自動車と違って、ガソリンで走るのでスタンドがないから走れないといったことがありません。また、半分、電気で走る車を生産しているともいえるので、電気自動車の開発を有利に進めることができます。

トヨタのプリウスの売れ行きは好調と、ハイブリッドカーは普及し始めていると言えます。



電気自動車とは


電気自動車は電気だけで走る車です。自宅や充電スタンドなどで、蓄電池を充電し、この電池のエネルギーで電気モーターを動かします。ハイブリッドカーに比べると単純な仕組みですが、以下の課題があります。
①インフラ整備の遅れ(充電スタンドが普及していない。)
②ガソリン車と比べると価格が高い
③電池1kgあたりに蓄えられるエネルギー量がガソリンに比べて小さいため、重い電池を積む必要がある。
(そのため、長距離を走ることができない。)

リチウムイオン電池が普及してから、電池に蓄えられるエネルギー量が増しましたが、価格が高いという問題があります。インフラ整備も進んでおらず、普及は進んでいません。


電気自動車は電気を燃料とするので、エコであるかは国の発電状況によります。太陽光や水力などのクリーンなエネルギーによる発電が多い国ほど、環境に優しいと言えます。


各国の政策

電気自動車普及に向けた取り組みが、各国でされています。

各国のエコカーの普及目標です(電気自動車+プラグインハイブリッドカー)(出所:日本経済新聞)。政策ものせておきます。
アメリカ
2015年までに100万台
5年間で充電スタンドを10倍にする目標を設定(2013年1月31日)
(充電スタンドは約1万4千カ所。急速充電可能なのは約160カ所。)

中国
2015年までに50万台、2020年までに500万台
購入補助金

ドイツ
2030年までに600万台

日本
2020年までに普及率を最大20%に
目標価格を設定し、値下げを促す


ちなみに、世界の国々でも電気自動車はあまり普及していないようです。


ブラジルのバイオエネルギー戦略

意外に思われるかもしれませんが、ブラジルではバイオエタノールの生産・普及が進んでおり、エネルギー供給の約半分は再生可能エネルギーになっています。ブラジルは1930年代から国策としてサトウキビを原料とするバイオエタノールの生産を進め、世界最大級のバイオエタノール輸出国となりました。
ブラジルでは1979年からアルコール車販売を始めました。バイオエタノール不足により普及が進まなかったものの、2003年にガソリン・アルコール両用のフレックス車が発売され2010年には新車販売台数の約90%を占めるまでになりました。
バイオエタノールはガソリンの約60%の発熱量であるので、ガソリン価格の60%以下でないとバイオエタノールを使うメリットはありませんが、この価格を下回って推移していることが多くバイオエタノールの需要は増加しています。


おわりに

原油は有限であるため、ガソリンからの脱却を早急にすべきであるのですが、ガソリンの便利さゆえに普及が進みませんでした。普及させるためには、インフラ整備などの政策等で、エコカーを支援させる枠組みが必要となります。インフラ以外にも、電池の価格など問題が多くあります。この分野の技術の進歩には時間がかかるので、プラグインハイブリッドカーなど、できることから徐々に進めていくことが大事だと思います。


参考文献

エコカーの技術と未来
トコトンやさしい 電気自動車の本
バイオエネルギー大国 ブラジルの挑戦
ブラジル 巨大経済の真実



前編 ガソリン価格分析


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最近話題になっているエネルギーを今回から取り上げます。第1回目はガソリンです。

目次
前編
はじめに
Ⅰ ガソリン価格の分析
後編
Ⅱ ガソリン依存からの脱却
おわりに

はじめに

最近のガソリン価格について

安倍政権が誕生してから急激に円安が進み、株価は大きく回復しました。一方、円安の進行は輸入価格を高めるので、商品価格の上昇を招きます。代表的なのが、ガソリン価格です。ガソリン価格は円安と原油価格の上昇を受け、高値で推移しています。
原油価格は世界経済の持ち直し、アフリカ・シリア情勢の緊迫化で上昇しています。また、新興国の成長により需要が上昇する一方で、供給はそれほど増えないので、需給の面で上昇が続くと考えられます。したがって、ガソリン価格は今後も上昇が続くと思われます。


ガソリン価格
(レギュラーガソリン、出所:資源エネルギー庁)


エネルギー問題について

世界では原油などの資源や食糧を獲得する競争が激化しています。新興国が成長することで、資源や食糧の需要が急激に増加します。需要に比べ、供給はそれほど増えないので、20~30年後にはこの問題はより深刻になると思われます。また、温暖化ガス排出の観点からもガソリンを増やすことは望ましくありません。したがって、ガソリンの過度の依存から脱却することが望まれます。

世界では、ガソリン脱却へむけた動きが見られます。例えば、ブラジルではバイオエタノール(サトウキビなどから作る燃料)で走る自動車が普及しています。アメリカ、日本、中国などでは電気自動車を推進する動きがあります。このように、エネルギーのあり方を見直す動きが拡大していくと思われます。



Ⅰ ガソリン価格の分析


ガソリン価格は主に2つの要因で決まる
①原油価格(ドバイ)
ガソリンは原油を精製して作る製品であるので、原油価格の影響を大きく受けます。日本の輸入価格の指標となるのがドバイの原油価格なので、この価格にガソリンが左右されることになります。


②為替レート
原油は基本的にドルで取引されるので、為替の影響を受けます。



原油価格は上昇基調

理由は以下の二つです。
①世界経済の持ち直し
経済がよくなると、消費が増えます。車が売れれば、ガソリンの消費が増えますし、企業は車の生産を増え電力消費量などが増えるので、原油価格の上昇要因になります。
欧州の景気はいまだによくありませんが、アメリカに経済の持ち直しの動きが見られます。中国もこのところ回復基調にあるなど、世界経済に回復の動きが見られます。そのため、原油価格がこのところ上昇を続けています。


②アフリカやシリア、イランなどの供給国への懸念

原油供給国への懸念の高まりが原油価格を押し上げています。このところ北アフリカでは民主化運動が広がり、原油安定供給への懸念が高まっています。アラブの春、シリアの内戦、アルジェリア事件などが最近起きた出来事です。今後落ち着いていくとは考えにくく、供給不安は続くと思われます。


この2つの要因で、原油価格は高値圏で推移しています。
原油価格
(ドバイの原油価格(月の平均)、出所:IMF Primary Commodity Prices)


円安進行、アベノミクスの影響で
円が急落している原因は以下の2つです。
①物価目標2%、大胆な金融緩和
②貿易赤字
この2つの要因で、円が急激に安くなっています。ただし、リーマンショック前と比べると円は十分高いです。
為替レート
(出所:日本銀行)

原油価格を円換算すると、リーマンショック前と比べると安いです。円高のおかげで、ガソリン価格はそれほど高くなっていないのです。
原油価格(円換算)
(ドバイの原油価格(IMF発表)を東京市場17時の為替レート(日銀)で円換算)


ガソリン価格は原油価格(ドバイ、円換算)に連動
ガソリン価格は原油価格を円換算した値に連動します。

ガソリン価格と原油価格
(出所:資源エネルギー庁、IMF、日本銀行)


クラックスプレッド

原油価格と石油製品価格の価格差をクラックスプレッドと呼びます。円換算した原油価格をリットル単位(1バレル=159リットル)にし、ガソリン価格との差を求めました。クラックスプレッドは90円くらいで推移しています。(このデータにおける、クラックスプレッドの平均は90.29円でした。)
クラックスプレッド

クラックスプレッドからガソリン価格を推定

クラックスプレッドは90円くらいであるので、原油価格(円換算、リットル単位)に90円をたすことで、ガソリンの価格を推定できます。
ガソリン価格の推定
(単回帰(被説明変数:ガソリン価格、説明変数:原油価格)を行うと、補正R2乗値が0.85、切片が87.0(t値は38.4)、係数が1.07(t値が23.1)となりました。)



原油価格、為替レートがガソリン価格に与える影響
ガソリン価格が原油価格+90円で決まるとすると、原油価格、為替レートがガソリン価格にいくら影響を与えるか推定することができます。この仮定の下ではガソリン価格は
ガソリン価格=原油価格(ドバイ、ドル/バレル)×米ドル・円÷159 + 90 円
となります。(1バレル = 159リットル)

①原油価格が1ドル上昇すると、ガソリン価格はいくらあがるか
原油価格が1ドル上昇すると、
米ドル・円÷159円
ガソリン価格が上昇すると推定できます。
1ドル=94円と考えると、0.59円上昇することになります。


②ドルに対して円が1円安くなると、ガソリン価格はいくらあがるか
この場合は、
原油価格(ドバイ、ドル/バレル)÷159円
ガソリン価格が上昇すると推定できます。
原油価格が112円とすると、0.70円上昇すると推定できます。


ガソリン価格の推定値
上記のモデルを使って、ガソリン価格が、原油価格と為替レートの値によってどう変化するかを見てみましょう。横軸が原油価格、縦軸がガソリン価格です。各為替レートに対して、ガソリン価格がどう推移するかをグラフにしました。例えば、原油価格が100ドル/バレル、米ドル・円が50円とすると、ガソリン価格は120円になることを表しています。

ガソリン価格のシミュレーション
2008年にガソリン価格が180円を超えた月がありました。この時の原油価格は130ドル程度、米ドル円が107円程度でした。このグラフで為替110円、原油130ドルの点を見ると180円程度であるので、このグラフを信用してもよさそうです。
このグラフによると、為替が90円の時、ガソリン価格が180円となるのは、原油価格が160ドルくらいの時です。為替が100円なら、ガソリン価格が180円に達するのは、原油価格が150ドルの時です。このように考えると、180円越えは、そう簡単に起こらないと予想することができます。



後編に続きます。

後編
エネルギーを考える その1~ガソリン~ 後編(エコカーの現状と各国の政策)








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この記事では、業界動向や個別企業の業績を予想する上で役に立つと思われるデータを紹介します。自動車販売台数、携帯電話の契約数、コンビニの売上高など、企業の業績を説明する際によく出てくるデータを主に紹介します。企業分析などに、ご活用下さい。このページは今後充実させる予定です。


はじめに

株式投資において、企業の収益を予想することは非常に重要です。企業の収益を株価に大きく影響を与えており、高収益が予想される企業の株価は高水準で推移する傾向があります。逆に、業績が悪い企業の株価は低迷する傾向があります。仮に、将来の企業の収益を予想できれば、割安であるかどうかを判断することができるので、低く評価されている企業の株を買うことで収益をあげることが期待できます。。
収益を予想する上で、業界動向を分析することは重要です。例えば、携帯電話会社の収益動向を分析する際には、事業者別契約数がよく使われます。このようなデータを見れば、決算の前に収益をある程度予想することができます。

自動車
新車販売台数 自動車販売協会連合会
新車販売台数や販売台数ランキングを見ることができます。マスコミがよく紹介するデータです。

機械
工作機械短期受注観測調査、工作機械受注総額 日本工作機械工業会
日経新聞によく出てくる指標です。受注短観は毎月の後半に発表される指標で、業種別、地域別の景況感を見ることができます。受注総額は内需、外需に分かれており、受注短観より細かく分類されています。
この指標は各国の経済の動向や業種の動向を見るうえでも役立つ指標です。工作機械は最終製品をつくる際の前工程で使う機械であるので、受注動向を見ることにより景気動向がある程度分かります。景気の先行指標として使えます。



電機機器
薄型テレビ出荷台数 JEITA
見たい年をクリックすれば、薄型テレビなどの出荷台数を見ることができます。
デジカメの出荷台数 CIPA
生産、出荷、国別出荷台数がカメラの種類ごとに記載されています。日本のカメラメーカーの業界動向を把握するのに使います。最近は、スマートフォンに押されコンパクトカメラの売り上げが低迷しています。


化学
エチレン生産量 石油化学工業協会
「月次統計資料」の「主要製品生産実績」から月別の生産量を見ることができます。エチレンは石油化学の基礎原料で塩化ビニル、ポリエチレンなどを作ることができます。国内のエチレンの生産能力は2~3割ほど余剰と言われています。



小売業界
コンビニエンスストア統計データ 日本フランチャイズチェーン協会
一番下の「コンビニエンスストア統計時系列データ」から「コンビニの売上高」をダウンロードできます。売上高には季節性があるので、前年比の3カ月移動平均でみます。店舗増加の影響を排除するため、既存店の売上高で見るのが一般的です。


情報・通信

携帯電話・PHS契約数 電気通信事業者協会
業者ごとに累計契約数をグラフ、データで見ることができます。純増減数の動向が注目されます。このデータは日経新聞などによく出てきます。

生命保険業界
生命保険協会 統計資料
会員会社の主要業績のまとめを月次、四半期、年次ごとに見ることができます。また、生命保険の業界動向(契約数、損益状況、資産運用状況)をまとめた資料があります。



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最近、急ピッチで株価が上昇しています。日経平均は2月2週に週の連続上昇記録をストップしましたが、それまでは12週連続で上昇していました。この記録は、岩戸景気以来の記録のようです。
株価上昇を支えているのは、外国人投資家の買いです。国内投資家の売りを外国人投資家の買いで埋めている状況が続いています。外国人投資家は昨年、1~3月にも買いを入れ、その時期株価は堅調に推移しましたが、今回の買いは、そのときの買いを大きく上回っています。

日経平均が上昇している理由は、いわゆるアベノミクスの影響です。安倍総理は選挙前から、大胆な金融緩和を行うとの発言を繰り返し、円安に動くという流れが11月頃から続いています。円安になると企業の収益は全体として改善するので、株価が上昇しているのです。民主党が削減した公共工事を、自民党政権が復活させたことも、株価上昇の材料となっています。
円安の背景は「大胆な金融緩和」ですが、いまだに行われていません。確かに1月に、物価目標2%の導入、無期限緩和は行われましたが、実際のところ従来までの政策と大して変わりません。また、白川総裁は追加緩和の示唆もせず、金融緩和は新総裁が就任するまでは難しくなりました。白川総裁は3月19日に前倒しで辞任することを表明したことで、円安に振れ株価は大きく上昇しましたが、再び円高となり株価は下落しました(2月2週)。新総裁の人事は、参議院の議席数が足りず難航しています。
このように、海外投資家が期待する金融緩和は実際には行われていません。それに、日銀の総裁が変わったからといって、「大胆な金融緩和」が行われるとも限りません。これまでの日銀の動きを見ると、「大胆な金融緩和」は行われないように思えます。しかし現実には、「大胆な金融緩和」の期待から円安となり、それを手がかりに海外からマネーの流入が続いています。

個人的な意見ですが、海外投資家は日本のことをよく分かっていないと思います。「安倍総理が何とかする。円安や金融政策、財政政策の効果で株価は上昇する。」と楽観的に考えているように思えます。もちろん、そうでない投資家もいるのでしょうが全体として、楽観的な傾向がありマネーが流入しているのだと思います。一方で、国内投資家は「大胆な金融緩和」は行われないから今の円安に違和感を覚えているうえ、金融緩和や財政政策でそこまで経済が回復すると考えていないため、株価はそこまで上昇しないだろうと考えていると思います(つまり、悲観的)。その結果、悲観的である国内投資家の売りを、楽観的である海外投資家の買いが埋めると言う状況が続いたのだと思います。
したがって、海外投資家のセンチメントに変化があり、海外投資家の買いが減少する自体が起きれば株価の上昇基調に変化が生じると思います。そのため、海外投資家の売買状況はしっかり見たほうがよいと思います。



海外投資家の買いが株価上昇のけん引役
以下のグラフは東証第一部の部門別売買動向(ネット)を左軸に、日経平均株価の上昇率を右軸に取ったグラフです。海外投資家の売買動向が、株価の上昇率に大きく影響していることが分かります。株価が大きく上昇する局面では、海外投資家が買い越しており、株価が大きく下落する局面では、海外投資家が売り越す傾向があります。


海外投資家と株価2

以下のグラフは、東証第一部の投資部門別売買動向(週)を左軸に、日経平均株価を右軸に取ったグラフです。海外投資家がこの期間ずっと買い越しており、国内投資家が売り越している傾向が見てとれます。海外投資家のマネーの流入が株価上昇を支えたことがうかがえます。


海外投資家と株価


円安で株価が上昇


以下のグラフは日経平均と米ドル円のグラフです。為替と株価が連動しています。円安だから日経平均がこのところ上昇しているのです。為替から考えると、今の日経平均の水準はおかしくありません。
日経平均は今後も為替に大きく左右されると考えられます。


為替と株価



為替下落の原因は金融緩和への期待と貿易収支の悪化


以前の記事「為替は物価、金利、経常収支で動く」にも書きましたが、為替は物価、金利差、貿易収支である程度説明することができます。
貿易収支が悪化すれば、米ドルでの支払いが増えるので通貨安圧力がかかります。最近まで、貿易収支はプラスでしたが原発再稼働問題の影響で燃料の輸入が増え、貿易収支が急激に悪化しています。この貿易収支の悪化が、円を売る材料となっています。

貿易収支の推移

物価上昇も円安を促す材料として左右します。物価が上昇すれば通貨の価値は下落します。例えば、ハイパーインフレが起こったロシアでは通貨が暴落しました。日銀が導入した物価目標2%が円を売る材料となっています。

また、金利の低下も円安を促す材料です。金利が低下すれば、その通貨を保有するメリットが低下するので通貨安圧力がかかります。海外投資家が期待する「大胆な金融緩和」は一層の低金利をもたらすので、通貨安圧力となります。最近では、アメリカの金利が上昇し、日米金利差が拡大しているので円を売る材料となっています。


海外投資家が期待する「大胆な金融緩和」は行われていない。


1月に追加緩和が発表されましたが、規模は今とほとんど変わりません。無期限緩和と言っていますが、短期国債の償還があるので買入残高が14年中は111兆円程度で推移する予定です。規模で言うと、10兆円しか増えていません。

日銀の買いれ残高

以下のグラフは使いまわしなのでコメントは気にしないでください。
いっそう金利を低下させるためには、付利撤廃、長期国債の買入があげられます。付利を撤廃すれば短期金利が0に張り付きます。長期国債を買い入れれば、イールドカーブの年限が長い部分が下がります。マーケットが期待しているのは、この二つの政策です。


イールドカーブ



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株式投資は大きなリターンを得られる可能性がある一方で、大きな損失がでる可能性があります。損失を回避する手段の一つに、プットオプションを買うことがあげられます。プットオプションとは、決められた日に株式等を決められた価格で売ることができる権利のことです。例えば、10000円で売ることができるプットオプションを持っていれば仮に株価が3000円だったとしても10000円で売ることができます。つまり、株式を買うと同時にプットオプションを購入すれば、株式の最低価格を固定できるので損失の下限を設定することが可能となります。
ただ、プットオプションはTOPIXなどが対象で普通の株式のプットオプションは売買されていません。そのため、代替手段として、株式の投資比率を都度変えていく凸戦略などが利用されます。
凸戦略は、株価が上昇した時、資産価値が増え取れるリスクが増したと考え株式への投資比率を増やし、逆に下落した時には、資産価値が減少したことで取れるリスクが減少したと考え株式への投資比率を減らす戦略です。この戦略は、いわゆる順張りです。
逆に、株価が上昇した時、株式への投資比率を減らし、下落した時、投資比率を増やす戦略のことを凹戦略と言います。これは、逆張りです。


凸戦略によるヘッジ

凸戦略を使うことで、プットオプションと同じ効果を得ることができます。凸戦略は、CPPIと呼ばれる手法で簡単に行うことができます。CPPIは、現在保有している資産額から最低限確保すべき資産価値を引いた値に一定倍率をかけた額を株式に投資し、残りを安全資産へ投資する手法です。例えば、現在の資産額が100億円、最低限確保すべき資産が90億円、一定倍率が5とすると、(100-90)×5=50が株式への投資額、その残りが安全資産となります。
一定倍率を1にすると、バイアンドホールド(買ってから放置)戦略、1未満にすると凹戦略になります。

以下のグラフは、過去12カ月分のデータを使って月末に資産配分を各戦略に応じて変更した時のパフォーマンスの推移です。横軸が株式の騰落率、縦軸が各戦略をとったときのリターンです。
株価は日経平均を用いています。凸戦略は一定倍率5、最低限の資産額が90%を使っています。バイアンドホールド戦略は、株式と現金を等ウェイトで保有して比率を変更しない戦略です。凹戦略は一定倍率を0.9、最低限の資産額が90%を使っています。取引コストを0としています。
凸戦略のグラフを見ると、最低減確保すべき資産額のリターンが下限となっていることが分かります。株価が好調な時には、バイアンドホールド以上にリターンをあげていることが分かります。


CPPI

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