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現在は債券バブル
現在、債券市場ではバブルが発生しています。日本国債の10年利回りは0.8%を割っています。日本以外でも、ドイツ、フランス、アメリカの債券は買われまくり、短期国債利回りがマイナスになる状況が発生しました。また、主要先進国のほか、ノルウェー国債などもドイツ国債利回りに近づいてきています。これは、欧州債務危機、世界経済の減速懸念から世界の投資家が弱気になり、株式などのリスク性資産を売却し、債券などの安全資産を買い求めているからです。また、世界経済の減速懸念から、各国が金融緩和を行いマネーの量が増えてしまったことも大きな要因です。行き場を失った投資マネーが安全資産に流入し、債券利回りが急低下しているのです。2012年7月にはドイツ2年国債利回りがマイナス圏に突入しました。このように、債券市場はバブルともいえる異常な状況になっています。


日本10年国債利回りの推移

日本の状況を、10年国債利回りの推移を見て確認してみましょう。データは財務省から取ることが可能です。
以下のグラフは日本10年国債利回りの推移です。1986年前後に乱高下し、バブル期には8%程度まで利回りが上昇し、バブル崩壊後は一気に下落しています。

10年国債利回り1

1986年以降、10年国債利回りが1%を割った年は、1998年、2002年、2003年、2010年、2011年、2012年です。
1998年はアジア通貨危機、ロシア財政危機、LTCM破綻と世界恐慌になりかけた年でした。日本経済も実質成長率がマイナスになるなど、ダメージを受けています。利回りの推移を見ると、1998年9月後半に1%を割りました。1%割れは2か月程度続きましたが、11月中旬あたりから上昇し始め、12月30日には2%をこえました。修正デュレーションが7程度だとすると、1%の金利上昇で7%程度下落しますから、10年国債を買っていた人は結構ダメージを受けたと思います。利回り低下およびその後の急上昇の理由は後ほど説明します。
次に1%を割り込んだのは、2002年10月31日です。その後、利回りは徐々に下がり続け2003年6月12日に過去最低の0.433%をつけました。しかし、その後金利が急激に上昇しています。この金利の推移についても後ほど説明します。
その後、利回りが1%を割り込んだのは2010年8月です。9、10、11月も1%を割り込む展開が多かったです。米10年国債利回り低下が下落の原因の1つです。
次に1%を割り込んだのは2011年9月です。この前の月にS&Pが米国債の格下げを行っています。この辺りから、マーケットが欧州債務問題への関心を高め始めました。この年の12月から3月中旬あたりまでは米国経済が思ったほど悪くないとの認識から相場は上昇していましたが、4月以降神経質な展開がずっと続いています。その結果、米国、ドイツ、フランス、日本などの債券価格が上昇傾向にあります。


10年国債利回り2

ここ10年ほどの10年国債利回りのを見てみましょう。2003年6月12日に過去最低の0.433%をつけています。その後利回りが1.5%程度に急上昇しています。先ほども行ったように、1%の利回りの上昇でも7%程度はダメージを受けますから、急上昇すると結構いたいですよ。
2012年7月12日現在、10年国債利回りは0.774%です。過去最低が0.433%ですからまだ下がる余地があります。需要はどうかというと、結構あるみたいですよ。日銀の札割れがこのところ頻発していますし、世界の投資家が安全資産を買い求めていますから。
ただ、過去データから見ると高いのは間違いないです。プットオプションがそこそこ買われているので、急上昇の警戒はされていますよ。また、経常収支がこのところ赤字ですから、財政赤字も考えると海外投資家の売りが出てもおかしくはないと思います。ただ、国内を考えると、国債より安全な資産は存在しないので国内の機関投資家が国債を大量に売るというのは考えにくいです。実際、日本国債の格付けが下がってもほとんど反応がありません。米国債なんかは、格付けが低下したのに、買われるという信じがたい出来事がが起きました。金利が何十パーセントも上昇するというのは、今のところは考えにくいと思います。




1998年、2003年の日本国債利回りの説明

日本の10年国債利回りは、米国の金融政策や米10年国債利回りの影響をかなり受けています。
これを確認するために、日米10年国債利回りの推移を見てみましょう。米国債利回りはFRBのサイトから取得可能です。


日米国債利回り1

1998年あたりの日本と米国の国債利回りを比較すると、かなり連動していることが分かります。1997年以降、米国債利回りの低下とともに、日本国債の利回りが低下しています。米国債利回りが小さくなっていたのは、アジア通貨危機、ロシア財政危機、LTCM破綻などがあったためでしょう。
金利上昇の時期ですが、米国の金利上昇の時期と同じ時期です。ただ、金利の上昇幅が米国債より大きい時期があります。この原因は、日本国債の需要に対する懸念が高まったためです。1998年、政府は国債を大量に発行し、これを消化できるのかとの懸念が高まったのです。
1998年の急上昇をきっかけに、財務省は市場との対話を重視することで国債の利回り上昇を抑えるようにしています。


日米国債利回り12

2002年以降の金利もなんとなく米国債に連動しているように見えます。ただ、米国債に比べ日本国債はほぼ一貫して下落しています。財政政策の削減によって景気への不安が高まった、デフレによって実質金利が上昇していたため金利下落が起きにくかった、円高により経済の不安が増し安全資産が入ってきた、などが考えられます。
金利上昇の時期は米国債利回り上昇の時期とほぼ同じ時期です。米国債利回りが上昇し始めたのは、ITバブル崩壊などの影響から脱し経済が徐々に回復し始めたことで金融緩和への期待が後退したためです。
2003年の日本国債利回り急上昇の理由ですが、これはVar(バリュー・アットによるリスク管理を金融機関が行っていたためです。Varは平均とボラティリティを使ってある確率(例えば1%)で発生する損失を測る指標です。ボラティリティが大きくなると、Varリスクは大きくなります。
急上昇がきっかけは、日本国債利回りの上昇です(そこそこの上昇)。この利回りの上昇をきっかけに、金融機関が債券を売り始めます。なぜ、売り始めたかというと、Varでリスク管理を行っていたためです。Varはボラティリティが上昇すると、大きくなるという性質があります。債券利回りはあまり変化しないのでボラティリティは小さいので、債券利回りが上昇するとボラティリティが大きく上昇します。その結果、Varが大きくなります。Varを一定量に抑えるためには、債券を売却し小さくする必要があるので、金融機関は債券の売却を行います。すると、国債利回りが上昇し、ボラティリティがさらに上昇します。も追う分かったと思いますが、リスク量を抑えるために金融機関は再び債券を売却することになります。これを繰り返したことで、債券価格は暴落しました。この2003年の国債の暴落はVarショックと呼ばれています。近い将来、このVarショックが起こるのではないかとの懸念が高まっています。
先ほども書きましたが、修正デュレーションが7とすると金利が1%上昇すると7%やられます。500兆円とすると、35兆円減る計算になるので、影響は結構大きいと思われます。



フェデラルファンドレート


金利の動きを見るうえで、米国の金融政策は非常に重要です。少なくとも、政策金利の状況は絶対に把握する必要があります。といっても、最近はずっと地を這っています。

ffrate

上記のグラフは、誘導目標であるフェデラルファンドレートの推移です。政策金利はあくまで目標なので、実際の数値はこのように変化します。
10年国債利回りと比較すると分かりますが、10年国債利回りの方が先に動きます。10年国債利回りはマーケットが値段をつけているので、マーケットの期待がリアルタイムで反映されるのです。例えば、マーケットがFRBが利下げしそうだなと思ったら先に10年国債利回りが下がります。
フェデラルファンドレートのデータはFRBのホームページから取得可能です。


消費者物価指数(CPI)


消費者物価指数も金利を考える上で非常に重要です。マーケットが見ているのは、名目金利ではなく物価の影響も考慮した実質金利だからです。10年国債利回りから、CPI(前年同月比)を引くと実質金利と思われるものがでます。思われると言ったのは、実質金利は名目金利から期待インフレ率を引くものだからです。期待インフレ率は分からないので、消費者物価指数などを代用して計算することが多いのです。

CPI



まとめ

現在は債券バブルといえる状況になっている。日本国債利回りは最低水準に近付いている。金利低下後、急上昇というパターンは2回起きているのでリスクは高まっている。Varショックが起きるとの懸念がある。したがって、債券市場の動向を今まで以上に注意しなければならない。具体的には、債券市場の需給に注意を払うべきだと思う。欧州債務問題、世界経済減速懸念、各国の金融政策、国債の入札や中央銀行のオペの動向などを見て、世界の投資家および日本の投資家の購入意欲を見極めることが必要だと思われます。



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