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最近、短期金融市場・債券市場に異変が起きています。2年債・3年債利回りが3カ月物・1年物国債利回りを下回る逆イールド、頻発する札割れ、金利の著しい低下とさらなる金利低下の予想。この記事では、これらの現象について解説します。


逆イールド

最近、2年国債・3年国債の利回りが3カ月物国債・1年物国債の利回りを下回る逆イールドが発生しています。
逆イールドとは長期金利が短期金利を下回る減少のことです。通常、長期投資の方が短期投資よりリスクが高いのでプレミアム(流動性プレミアム)が発生し、長期金利が短期金利を上回る順イールドとなります。逆イールドは金利低下が予想される局面で発生します。例えば、1974年に逆イールドが発生しています。

では、逆イールドになっているかを見てみましょう。データは財務省から取っています。3カ月物は記載していませんが、8月2日の国庫短期証券(3カ月物国債)の募入平均利回りは0.0990%、4月4日の0.0994%でした。(日本相互証券から、もっと詳しいデータを取ることができますが、ヒストリカルデータは有料です。)


国債利回りの推移2

このグラフをみると、2年国債・3年国債の利回りが1年国債の利回りを下回っていることが確認できるので、確かに逆イールドが発生していることが分かります。
逆イールドが発生している理由として、需要・供給の関係があげられます。日銀が長期国債の買い入れ頻度を増やしたため2年国債・3年国債の需要が増し、高いということです。
また、日銀が2年国債等の買い入れ入札の際の下限金利(0.1%)を撤廃するとの思惑が高まっていることも理由の一つです。下限金利が撤廃されれば日銀が市場の流通利回り程度で買い取ってくれるので今までより高く買い取ってくれることになり、価値が高くなるのです。


このグラフから、国債利回りは0.1%が下限となっているのが観測できます。日銀の当座預金に銀行が預金をしている場合、法定準備金を上回る金額に対して0.1%の金利がつくためです(2008年11月16日から導入されました)。日銀は中央銀行のため、つぶれることは考えられません。そのため、日銀にお金を預けておけばリスクゼロで0.1%の金利を受け取ることができます。国債利回りが0.1%を下回れば、日銀の当座預金に預けていた方がお得なので通常、国債利回りの下限は0.1%となります。
通常、国債利回りが0.1%を下回ることはないのですが、最近では下回っています。理由としては、各国の中央銀行が金融緩和を行ったことで生じたマネーが安全資産である日本国債を買っていることがあげられます。ちなみに、ドイツ国債などは0.1%どころか0%を下回る国債(マイナス金利)もあります。


国債利回りの推移1

上記のグラフは1年国債から5年国債利回りの推移ですが、4年国債利回りも0.1%に近づいています。5年国債は、まだ0.2%を切る程度ですが、0.1%近くなるのは時間の問題でしょう。


以上のことから分かるように、日本では一段と低金利が進んでいるのです。



マーケットはさらなる金利の低下を予想

マーケットは現在の水準より金利が低下すると予想しています。マーケットの金利の先行き予想は金利3カ月先物を見れば分かります。金利3カ月先物は、金利3カ月先物は指定された月から始まる3カ月物の適用金利のことです。表示は100-適用金利です。例えば、適用金利が0.3%だとすると、100-0.3=99.7となります。
この適用金利を見れば、マーケットの金利の予想を見ることができます。例えば、現在の金利の水準が5%で3カ月先から始まる適用金利が4%であれば、マーケットは3カ月先には金利が1%下がると予想していることになります。

では、マーケットの金利の予想を見てみましょう。データは東京金融取引所が発表しているユーロ円金利3カ月先物TIBORです。ユーロ円金利とは国外で取引される金利と言う意味です(市場はロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港、東京オフショア)。TIBOR(タイボー)は東京オフショア市場における、銀行間出し手レートです。
グラフでは100から引いた値ではなく、金利の表示に変えています。


ユーロ円金利3カ月先物1

これが2012年8月3日におけるマーケットの予想です。金利低下が予想されています。同じ日の360日ベース3カ月TIBORが0.32727%です。12月あたりで0.3%を下回ると考えているようです。


ユーロ円金利3カ月先物2

ちょっと前までは、金利の予想はフラットだったのです。7月あたりから、先ほどのグラフのように金利低下となるようになりました。




ユーロ円TIBOR

ユーロ円TIBOR

ついでに、ユーロ円TIBORを見てみましょう。1月時点より、ちょっと下がっています。金利が国債より高いのは信用リスクがついているためです。国と違いデフォルトなどのリスクがあるので、国債の金利より高いのです。ところで、このグラフを見ると国債に比べそんなに金利が下がっていないような気がします。国債の利回り低下は外国と日銀が買いまくっている影響が大きいから、違いが出ているのでしょうか?



日銀の当座預金の推移

次に、日銀の当座預金の推移を見てみましょう。データは日銀からとることができます。

日銀当座預金残高

基本的なことから説明します。日銀の当座預金に預金をしているのは、銀行などの金融機関です。日銀の当座預金に金融機関の預金の一部を預けることが法律で定められており、これに違反すると過怠金および厳重注意がされます。違反は非常に不名誉なことなので金融機関は法定準備預金額を下回らないように預金します。法定準備預金額は預金額に預金準備率をかけて算出されます。預金準備率は日銀の代表的なオペレーションでしたが、現在は意味がなくなっています。
日銀の当座預金は、ほとんど金利がつかない(2008年11月前半まではゼロ金利)ので、かつて金融機関は当座預金にお金を置かないようにしていました(法定準備預金額を上回っていると、日銀から置きすぎですよと連絡がきたようです。つまり、日銀に必要以上にお金を置くことは許されなかった。)。しかし、量的緩和後、状況が変わりました。量的緩和は日銀の当座預金残高の目標を定め、目標に達するまで国債の買取などを続けるという政策です。日銀の当座預金はほとんど金利がつかないので、貸し出しなどで儲けを増やそうという意識が働き貸し出しなどが増えることが期待されていました。ただ、実際には金利が余りにも低すぎて貸し出しを増やしても信用リスクに見合った金利がとれないので、日銀の当座預金に置いた方がまし、あるいは国債を買った方がいい、と考える金融機関が多くあり、劇的な効果はなかったようです(それでも、やった方がましでしょう)。

さて、現在の当座預金の状況をみると2003年と同程度の水準にあることが分かります。法定準備預金を当座預金が大きく上回っています。何だかんだいって、金融緩和は行っているわけです。このマネーが貸出等に向かっているかはよく分かりません(たぶん、国債を買っていると思います)。



札割れ

最近、日銀が国債等を買い取る際、予定額に達しない札割れが何回も起きています。固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションでは頻発しています。国庫短期証券買入は入札下限金利を撤廃してから、うまくいっています。入札下限金利がある国債に関しては流通利回りの方が下限金利より低いので札割れが起きています。要は国債の需要が高いということです。国債の需要が高いので下限金利を下回るほど利回りが下がり、買い入れができないのです。
共通担保資金担保オペは担保を裏付けに、資金を政策金利と同水準の固定金利で供給する(貸し出す)というオペですが、資金余剰感が強い場合には札割れが生じます。金融機関に資金が十分に行きわたっているので札割れが起こっているのです。つまり、日銀が十分資金供給を行っていることを意味しており、金融緩和が難しくなっていると言えます。


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