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最近、米国経済に持ち直しの動きが見られます。企業の景況感を表すISM製造業指数は、先月までは失速気味でしたが9月分は50を上回りました。景況感指数の構成要素である、PMI、雇用、新規受注の3つとも上昇しているので、中身も良好です。来月、再来月と強い数字がでれば米国の経済は回復基調にあると判断できます。


製造業の景況感はやや持ち直しだが依然低水準


ISM製造業

ISM製造業景況指数は、50が景気拡大・縮小の分かれ目です。先月、50割れが続きましたが今月はなんとか50を超えました。ECBの南欧国債買い入れやQE3の効果が表れたのだと思います。ただ、昨年以降と比べると低水準なことがこのグラフから読み取れます。中国の景気減速を補うのは厳しいと思います。



雇用は相変わらず悪い

米雇用統計

アメリカのGDPの約7割が個人消費と言われているため、消費に影響を与える雇用統計をチェックすることは重要です。また、雇用統計は政策目標にも使われるため、政策の先行きを見るためので指標の一つと言えます。雇用統計で最も重要な指標は非農業部門雇用者数です。市場予想と大きく異なる結果が出ると、市場が大きく動きます。

まず簡単に米国の雇用について振り返ります。2008年のリーマンショックにより、400万人近くの雇用が失われました。1億4千700万人から、1億4千300万人くらいに雇用者数が減少しました。ですから、約3%の人が失業に追い込まれたと分かります。失業しなかった人も景気が悪いため給料が減ることとなりました。また、短期労働しかないという人も増えたので、雇用は厳しくなったのは間違いないです。
世代間にも差があり、中高年が職がある一方で若者の失業が問題になっています。長い間失業が続くと、職業経験がないと理由でより職を得るのが厳しくなります。雇用悪化は消費悪化につながります。若者の失業問題が解決しないまま、10年、20年たつと米国の消費が今とは考えられないほど悪くなると思われます。短期的には中高年がいるのである程度消費がありますが、今後消費が鈍化していく可能性は十分あります。同様に、日本も消費をしない世代が増えているので、車、家などがますます売れにくくなっていくと思われます。
最近の米国の雇用を見てみると、20万人未満(年率)の月が大半を占めています。すなわち、このままの状況で失われた400万人の雇用を復活させるのにかかる年数は20年(400万人÷20万人)以上です。20年もたってしまえば消費をしない人が大量に増加することになるので、この状態が続けば20年後の米国経済はやばいということです。失業率を下げるため、米国の中央銀行であるFRBが積極的に金融政策を行っています。金融政策で金利を下げることで、住宅や自動車などのローンを組みやすくし購入を促進する意図があります。後で説明するように、住宅や自動車の販売件数は上昇傾向にあります。



アメリカ人の労働時間、賃金は上昇傾向

米労働時間

企業に仕事が増えると会社が忙しくなります。忙しくなると、まず社員の労働時間を増やすことで対応し、その後、人を雇うことで解決しようとします。したがって、労働時間の増加は景気がよくなっているサインとなります。実際、リーマンショックのちょっと前から労働時間の減少が始まっています。その後は、金融政策などの効果で労働時間が上昇しています。現在の水準は、リーマンショック前にかなり近づいているので、米国経済に回復の動きがあると判断できます。
賃金についても、グラフを作ってみましたが右肩上がりなのであまり意味がありません。伸び率で見ないとダメそうですね。


失業率は改善しているが、労働参加率は下落傾向

米失業率
米大統領候補のロムニー氏は実際の失業率はもっと高いと言っています。理由は、職に就くのを諦めた人がカウントされてないからです。このことは、上記のグラフを見るとよく分かります。労働参加率は生産年齢人口のうち職についている人の割合です。このグラフを見ると、リーマンショック前は労働参加率が66%程度あったのに、現在では63.5%程度になっています。アメリカの生産年齢人口が2億人程度です。これに2.5%(66-63.5)をかければ500万人となります。約400万人の人口が失われていますから、人口増加分を考慮すればこのくらいになるでしょう。労働参加率で雇用を見るという手法は使えそうです。労働参加率の推移を見ると、右肩下がりです。さらに失業率が減少しているのに、労働参加率が低下している時期もあります。失業率の定義は求職者数÷(労働者数+求職者数)ですから求職者数が下がれば失業率が低下します。以上から、失業率が低下している背景に労働参加率の低下があると分かります。
景気が回復し雇用が増えた結果、失業が回復しているという面も確かにあるのですが、景気の回復は緩やかで普通の人が考える失業率はもっと高いと考えられます。


雇用者数は増加しているが400万人の雇用は回復していない

米雇用者数
先ほど述べたことを確認するため、率ではなく数を見てみましょう。雇用者数を見てみると回復はしているのですが、リーマンショック前の水準に届いていません。400万人近い雇用は失われたままです。さらに、今年に入り回復のペースが鈍くなっています。したがって、雇用は回復しているがそんなによくないと思われます。


金融緩和の効果で金利は低下

米金利

以上のことを考えると、米国の景気はよくなさそうに見えます。しかし、このところ金融緩和の効果が住宅や自動車にあらわれ販売件数が増加しています。住宅や自動車の販売は景気全体に与える影響が非常に大きいことが知られています。住宅を作るためには、鉄、木材、コンクリートなどの材料が必要です。当然、人がいないと家を建てられないので人を雇う必要があります。雇用の需要が増加すれば賃金が増加するので消費の拡大につながります。住宅を買った人も、家具や家電を買う必要があるので大きい買い物をします。同様に自動車も生産に膨大な部品を使うため周辺産業に大きな影響を与えるので重要だと言われています。消費に対するセンチメントをみるにも有効です。家や自動車などは、ローンを組むのが普通ですから雇用が安定していると考えないと購入しません。
以上のことから、住宅、自動車の売れ行きは非常に重要だと言われています。実際、過去の歴史を振り返ると住宅市場の動向が景気に先行していたケースが多くありました。そのため、米国の住宅市場の動向は極めて注目されています。

最近の米国の金利は、歴史的に見て最低水準です。10年物国債の金利は現在2%前後です。ローンを組むことを考えると今しかないと思う人が増えてもおかしくない水準です。30年で3000万円を毎月同額ずつ返すことを3%と8%の場合で考えましょう。3%の場合は月12万6千円、返済総額は4550万程度となります。8%の場合は月22万円、返済総額は7900万円程度となります。つまり、月の支払額では10万近く安く、返済総額では4500万程度安くなります。以前はローンを組むのがきつかった人でもこれだけ下がれば借りてもよいと考えてもおかしくないでしょう。


自動車販売台数は回復傾向

米自動車
単位は万です。

米国の自動車市場は以前に比べれば低水準ですが、最近は回復傾向にあります。12年9月は前年同月比約13%増の118万台でした。(グラフの単位は年率なので違います。)トヨタは40%以上、ホンダは30%以上増加となりました。自動車だけ株価が下がりにくい時期があったのは、米国の自動車市場がよかったためで、米国の恩恵を日本が受けました。


住宅ローンの金利は低下傾向

米住宅ローン金利
今度は住宅市場を見てみましょう。住宅市場は米国政府や中央銀行が重視しているセクターで、減税などの措置がとられました。最近では、米国の中央銀行が住宅ローン証券(MBS;住宅ローンを裏付けとした証券)を月四百億ドル購入することを9月に決定しました(QE3)。総枠、期限を設けられていません。雇用が改善するまで資産を購入し続けると表明しました。
その結果、住宅ローンが一層低下し金利が過去最低になったようです。15年固定は3%をわりました。


米住宅ローン金利2
通常、金利は国債の金利に信用力に応じた金利を上乗せします。国債との金利差はスプレッドと呼ばれ、金融システム不安が台頭すると拡大する傾向にあります。小さい方が借り手にとって望ましいと言えます。最近の動向を見ると、スプレッド自体はやや高い水準にあります。しかし、金利が低下したため住宅ローンの金利が最低となったわけです。つまり、住宅ローンの金利低下は米国中央銀行の金融政策のおかげだと言えます。


米住宅着工件数は大幅に増加


米住宅着工件数
数字は年率換算で、季節調整値です。単位は千です。

9月の住宅着工件数は大幅に増加しました。これは、住宅ローンの金利が下がったことで売れるようになると業者が判断し着工を増やしたと思われます。

新築は回復傾向にあるものの低水準


米新築販売件数
数字は年率、単位は千。

着工件数は業者側の数字で販売件数ではありません。販売件数は新築住宅販売件数や中古住宅販売件数で見ます。転売が普通な米国では、新築販売件数は中古に比べ低いですが新築の場合、周辺産業にも大きな影響を与えるので重要です。
新築住宅販売件数を見てみると、回復が進んでいるように見えます。低水準にあるが、回復傾向にあります。景気に先行する傾向があるので、回復傾向にあることは望ましいと言えます。


中古住宅市場は好調

米住宅販売戸数

新築と異なり、中古の場合、周辺産業へは影響を与えません。しかし、個人消費に影響を与えます。売買によって、キャピタルゲインが生じ消費とつながるのです。もちろん、家具や家電の購入も考えられます。住宅価格の上昇は資産の上昇につながります。例えば、2000万円の家が10%価値があがれば200万円儲かったとアメリカ人は思います。200万円増えたから消費をしようというのがアメリカ人です。また、中古住宅が足りなくなってくると、新築に向かいます。以上から、中古市場が活性化してくると米国の経済がよくなってきます。

中古住宅販売件数はリーマンショック前の水準を回復しています。価格も上昇傾向にあるので不動産投資も活性化していると思われます。含み損を抱えていた住宅購入者も資産が上昇したことで、消費意欲が改善していると考えられます。
したがって、米国の住宅市場は盛り上がってきていると言えます。JPモルガン、ウェルズファーゴなどの金融機関も住宅ローン関連の収入が50%以上増加したとの話もあります。


9月の米国経済指標は改善している指標が多くありました。そのせいか、円安が進み日本の株価も上昇しました。

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